北海道の若手経営者に経営の勘どころや気づきを伝授するため、官民連携で組織している「北海道経営未来塾」11期の第2回特別講座が2026年8月18日、札幌市中央区の札幌パークホテル1階テラスルームで行われた。講師は日本ハム(本社・大阪市北区)の井川伸久会長で、テーマは「既成概念からの脱却!もっと変わらなあかん‼︎」。塾生30人が井川氏の話に聞き入った。
(写真は、講演する日本ハムの井川伸久会長)
井川氏は冒頭、坂本龍馬の『世の既成概念を破るというのが、真の仕事である』という言葉を紹介、「前例に沿ってそつなくものごとを進めることは仕事でも何でもない。既成概念を打ち破り、越えていくのが本当の仕事の意義と意味だ」と話した上で、加工事業本部長時代のエピソードを紹介した。井川氏がその職に就いたのは、加工事業本部が過去最低の業績だった頃。組織の構造改革を実施したほか、あらびきウインナー「シャウエッセン」の常識を変えることにも挑戦した。
その一つが、ボイルが主流だった食べ方からレンジでも食べられるようにした「レンチン解禁」(井川氏)。もう一つが定番だった髷(まげ)のように上部で縛る巾着型の包装から、一般的な袋型に変えたこと。この時には、日本相撲協会からハサミを借りて断髪式のイベントも行った。「シャウエッセンの常識を変えることが必要だったのは、新たな顧客を獲得するためだったほか、円安でプラ原料の値上げを抑えるためだった。巾着型から袋型に変えたことで、プラ原料を248t減らすことができ、値上げをせずに済んだ」と井川氏。
(写真は、特別講座前の記念写真)
副社長時代には、プロ野球日本ハムファイターズの中田翔選手の移籍問題があり、「道民の意見と球団から上がってくる意見が真逆だった。間もなくエスコンができる中で情報が偏っているのはいけないと、当時の社長に具申してできたのが北海道推進部。さまざまな取り組みをして、ようやく道民の方々に日ハムが北海道に本気できていると思っていただけた。それ以降、道内でのブランド価値を高める取り組みを継続して行うようになった」(井川氏)
井川氏は、社長に求められる条件として自分なりの考えをこう示した。「新しいことに興味を持つ『好奇心』、物事の本質を探る『洞察力』、腹を括る『胆力』、いつでもぶれない『一貫性』、私利私欲や依怙贔屓がない『信頼感』、この人のためなら一肌脱いでやろうと思わせるようなチャーミングな『影響力』の6つだと考えている。チャーミングな人は、必ず自分の弱さをさらけ出している。トップになって自分を固めて、すべてが完璧だという状態にしている人には魅力がないと思う。私が付き合ってきた優秀な経営者は、すべてチャーミング」と述べ、塾生たちに役員を選定するヒントを示した。
最後に井川氏は、日本ハムグループが、北海道で企業価値において5年後、10年後、雪印やサッポロビールを抜いてNO.1企業になることが夢だと強調、「そのためにも塾生の皆さんと一緒に活動ができればありがたい」と締めくくった。


































