北洋銀がキャリアバンクを友好的TOB、北海道の人材不足に一枚岩で対応

経済総合

 東京証券取引所プライム上場・札幌証券取引所本則上場の北洋銀行(本店・札幌市中央区)は2026年3月3日、札証本則上場で人材紹介・人材派遣などのキャリアバンク(本社・同)を完全子会社化するため、TOB(株式公開買付)を開始すると発表した。関係当局の認可取得を前提としたTOBとなる。キャリアバンク株式の約53・11%を所有する主要株主らは、北洋銀のTOBに応募する契約を既に締結しており、キャリアバンクも賛同表明している。北洋銀はTOBの下限を64・25%としている。TOB価格は1株1755円。(写真は、記者発表後に握手する北洋銀・津山博恒頭取=左とキャリアバンク・益山健一社長)

 TOBの端緒は、北洋銀の津山博恒頭取とキャリアバンク創業者で社長だった佐藤良雄氏(2025年10月16日死去)が、2024年12月末に面談したことだった。「通常の年末挨拶だったが、北海道企業の人手不足で共通認識を持った」(津山頭取)。その後、複数回の協議を経て、2025年6月上旬に協業の方向で一致、同年8月上旬にはTOBの協議検討を両社間で開始した。そうした中、佐藤氏が死去したが、協議は継続、2025年11月から12月にかけて北洋銀は、キャリアバンクのデュー・デリジェンス(資産査定)も実施した。

 TOB価格について、北洋銀は、5回目で1株当たり1755円(2026年3月2日終値に45・52%のプレミアム)を提案、キャリアバンクが応諾してTOBに進むことになった。応募期間は、2026年3月4日から同年4月21日まで。北洋銀は、買収資金約17億円を自己資金で充当する。

 この日、北洋大通センター4階セミナーで17時から北洋銀の津山頭取とキャリアバンクの益山健一社長が会見を行った。津山頭取は、「北海道の最大の課題は人口減少。当行グループは、北海道共創パートナーズを通じて人材紹介業務を強化、経営者・マネジメント層の実績はあるが、それだけでは、北海道の人手不足に十分対応できない。キャリアバンクは、人材サービス業の豊富な知見があり、2つを掛け合わせると人材供給機能を高度化でき、人材問題にとどまらないソリューションも提供できる」と話した。

 益山社長は、「当社には、顧客企業のニーズに合わせて、採用から職場定着までをワンストップで提供できる体制がある。北洋グループの北海道共創パートナーズの役員、幹部クラスの人材紹介と当社の強みである一般職の人材紹介事業との連携で、北海道の人材ニーズを補足できるようになる」とTOBに賛同した理由を話した。

 キャリアバンク前社長の故・佐藤氏は、同社株38・94%を所有する筆頭株主だった。既に相続人3人に相続されているが、3人は、いずれもTOBに賛同している。相続人の一人は「佐藤良雄の遺志なので、うまくいくことを願っています」とコメントしている。また、佐藤氏の資産管理会社エス・ジー・シーが所有する10・46%と、同じく資産管理会社SATO-INVESTMENTが所有する3・70%についても、TOB応募契約が交わされており、「TOB成立に懸念点はない」(津山頭取)としている。北洋銀は現在、キャリアバンク株を2・42%所有している。

 北洋銀が、上場会社をTOBするのは初めて。TOBによって3分の2以上の取得を目指しているが、上限は設けておらず、完全子会社化を進めてキャリアバンクを非公開化する。キャリアバンクの2025年5月期決算は、売上高51億2600万円、営業利益1億900万円、純利益8900万円だった。従業員数は、グループ全体で411人(臨時雇用者含む、2025年5月末現在)。

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