札商・高向巖会頭体制で4期目スタート 『札幌版成長戦略』の提言など“企業を全力応援”がスローガン

経済総合

IMG_9535 札幌商工会議所は1日、第35期の第1回臨時議員総会を札幌グランドホテルで開催、4期目に入る高向巖会頭(74、北洋銀行相談役)をはじめ副会頭6人を選任した。副会頭で留任したのは星野恭亮・旭イノベックス社長(68、4期目)、岩田圭剛・岩田地崎建設社長(60、4期目)、似鳥昭雄・ニトリホールディングス社長(69、2期目)、布施光章・DORAL会長(74、2期目)、新任副会頭は大槻博・北海道ガス社長(64)、勝木紀昭・北海道エネルギー社長(60)。景気回復が確かな足取りになる中で札商・高向体制が強く打ち出したのが、札幌版成長戦略。中小企業の成長を支援する取り組みなどを強化、2026年の札幌冬季オリンピック誘致にも札幌市と共同歩調を取り北海道新幹線札幌延伸や都心道路の整備などに向けた活動に繋げていく。(写真は就任披露パーティーで檀上に上がった正副会頭。左から勝木紀昭氏、布施光章氏、星野恭亮氏、高向巖氏、岩田圭剛氏、大槻博氏。似鳥昭雄氏は欠席)
  

高向氏が臨時議員総会で会頭に選出された後、参加した議員を前に第35期の3年間に亘る“施政方針”表明した内容は次の通り。
 

「景気回復への期待感が高まり道内も20数年ぶりの高い景況感を示している。しかし、消費税の引き上げ、TPP、電力エネルギー問題という懸念事項がある。今後息の長い景気回復を実現するためには、地域産業の自立的な発展成長、雇用の拡大につながる好循環を生み出していかなければならない。そのためにも地元の企業活力の向上が大変重要。3年間の基本方針は“企業を全力で応援する”というスローガンを掲げて事業を展開する」
 

「中小企業の挑戦を応援する。政府の成長戦略に掲げられた中小企業・小規模事業者の革新に沿って札幌版成長戦略を提言。北海道の強みである食と観光の地域資源を結集し付加価値の高いブランドを育成することに取り組む」
 

「販路拡大についてもこれまで以上に道内外の企業とのマッチングを回数、内容とともに拡充。新興国の需要を取り込むべく海外展開にも積極的に支援する」

 
「東北地方との交流を一層推進、ビジネスマッチングによる取引拡大を図りながら関係強化を進めていく」「雇用の創出、地域経済の新陳代謝を図るべく創業の支援などをワンストップで支援して行く。経営革新等支援機関に道内会議所で初めて認定されたことを受けて、より専門性が高い支援を行うための体制を商工会議所の中に整備していく」

 
「これまでの金融相談と合わせて中小・小規模事業者の経営改善、事業承継や事業再生へのことについてもしっかり取り組む」

 
「人材確保に向けた取り組みを進めるほかグローバル化に対応すべく国際的な視野をもった人材の養成により積極的に進めていく」

 
「人口減少、少子高齢化を踏まえ地域活力を生み出すための提言、要望活動も強化。2016年春には北海道新幹線が新函館(仮称)まで開通するため開業ムードを我々の立場からも盛り上げ、北関東、東北からの来道を進め北海道全域への開業効果を図っていく」
 

「2036年とされている北海道新幹線の札幌開業の前倒しに向けても要望活動を積極的に行う。丘珠空港の機能拡充や都心高速道路のアクセス強化も提言・要望する」

 
「増加する海外観光客に対するおもてなしの育成、語学バッヂの普及、案内看板、道路標識の見直しも進めていく」
 

「札幌の経済活性化にはマチの賑わいは不可欠。地域の商店街やまちづくり会社と連携した賑わいの創出を進めていく。札商110周年に向けた記念イベントの検討実施する」
 

「国が進める国土強靭化とともに首都圏バックアップ機能の拠点として企業の誘致も進めていく」
 

「地域活性化の起爆剤として冬季五輪の誘致を進め、新幹線の工期短縮や交通基盤整備につなげていく」
  

高向会頭の4期目は総仕上げの3年間となるのは確実で、副会頭の中から次期会頭を選ぶコンセンサスの土壌を形成していくことも必要になってくる。

 
なお、高向会頭が4選されたことで11月26日に予定されている北海道商工会議所連合会の会頭にも4選される見通し。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER