2022年8月に経営破綻した札幌のエンタメ企業、スガイディノスを承継したGENDA GiGO Entertainment(本社・東京都港区)と資本業務提携している佐々木興業(同・同都豊島区)は、狸小路商店街5丁目で運営している映画館「サツゲキ」(札幌市中央区南2条西5丁目6-1)を、2026年3月29日(日)に閉館する。建物所有会社との賃貸借契約の満了に伴うもので、「札幌座」の流れを汲む「サツゲキ」の歴史的名称が消える。
(写真は、2020年7月の「サツゲキ」オープン時)
「サツゲキ」が入居している建物がある場所は、1925年に洋画封切館「三友館」が開業した場所。「三友館」は、札幌の映画館としてはパイオニア的な存在で、1938年には「日活館」、1975年には「東宝プラザ」に名称を変更して営業が続けられてきた。1981年に建て替えられ、2003年の改装を経てからも、メジャー作品が上映されてきた。しかし、2011年9月に映画興行を終了、その後は、貸しホール劇場「札幌プラザ2・5」として、映画上映やイベントが開催されてきた。
再び映画館として蘇ったのは、2020年7月。当時のスガイディノスが、2019年6月に閉館した「スガイディノス札幌中央」(南3条西1丁目)内で展開していた「ディノスシネマ札幌劇場」の代替映画館としてオープンさせたもので、「札幌劇場」の名前を「サツゲキ」に変え、2階に200席、28席、48席の3スクリーン、地下1階に170席の1スクリーンという構成で運営を始めた。
スガイディノスはその後、民事再生により、GENDA GiGO Entertainmentに承継され、スカイディノスが展開していた、「サツゲキ」を含む映画館3館は、提携先である佐々木興業の運営に承継された。そして今回、佐々木興業は、「サツゲキ」の建物所有者である谷井(札幌市中央区)と新たな賃貸借契約を締結せず、「サツゲキ」閉館を決めた。なお、佐々木興業が運営している「ディノスシネマズ苫小牧」と「ディノスシネマズ室蘭」は、引き続き営業する。「札幌劇場」は、スガイディノスのルーツに当たる、1917年創業の芝居小屋「札幌座」を由来とするネーミングで、「サツゲキ」に名前を変えながらも、108年間続いてきた歴史的な名称。その名前が、いよいよ消えることになる。


































