
「小規模事業者に対しては、本年採択された中小企業庁の『経営発達支援計画』に基づき、経営指導員などによる窓口相談、巡回訪問、事業者に寄り添った伴奏型支援を引き続き推進していく。次世代への円滑な事業承継に向けては、当所が、国から受託運営する『北海道事業承継・引継ぎ支援センター』への相談、成約件数も増加傾向にあるが、北海道における後継者不在率は、秋田、鳥取、島根に次ぐ都道府県ワースト4位であり、早急な対応が急務。事業承継税制の特例措置の期限が来年3月末に迫っており、日本商工会議所などとも連携し、特例措置の恒久化を働きかけていく。次世代を担う人材の育成にも引き続き取り組んでいく」
「二つ目の柱は、新たな価値の創出、地域活性化の推進という視点。大きな転換期の中で、次世代の札幌を導くような取り組みを進めたい。経済を持続的に成長させ、地域を豊かにしていくには、企業も付加価値を高めて適切な利益を生み、生産性向上と賃上げの好循環を確実にすることが肝要。高付加価値化を後押しすべく、産学連携の取り組みや企業同士の接点を増やし、オープンイノベーションの場づくりを進めるなどして、新たな価値の創出に取り組む」
「スタートアップ創出も、活力を高めていくため重要となるので、『起業するなら札幌で』と、言われるようなまちになっていくような取り組みを展開する。一方、札幌でも人口減少のフェーズを迎えており、若者の道外への流出も依然として進んでいる。若者が住み続けたい、戻ってきたいまち、加えて観光客など来訪者、さらには企業、投資などを引き付けるために、まちの魅力を高めていく必要がある。
このため、『まちの魅力創造委員会』を新たに設置、札幌の魅力を高める方策について検討を進める。また、当所では、大通公園周辺エリアのまちづくり関する公民連携プラットフォーム形成に向け、9月に札幌市と覚書を交わした。この具体化も進める」
「都市機能向上に向けては、丘珠空港の機能強化をはじめ、北海道新幹線や都心アクセス道路といった社会基盤整備も重要であり、引き続き早期整備を目指して、民間推進母体としての取り組みを進める。また、地球温暖化が進む中、冷涼な気候を生かす取り組みの一方で、到来する脱炭素社会を前に、中小企業の脱炭素経営を進めていく必要がある。全国一高い電気料金を踏まえると、コスト削減の観点からも省エネへの取り組みを進めていくことが求められる」
「また、風力など再生可能エネルギーに強みを持つ北海道においては、エネルギーの地産地消は、域際収支の改善に寄与するもので、地元企業がかかわることができるような方策も検討したい。以上の二つの柱の取り組みを進めていくにあたり、前期の政策委員会で策定した中期指針である『ビジョン2035』の着実な実行についても、各委員会、部会の具体的な取り組みの中で着実な実行と実現を目指していく」
「最後に、会議所自体の組織体制だが、会員の減少傾向に一定の歯止めがかかり、コロナ禍の37期に2万社を回復するに至った。今後も、会員企業のニーズを踏まえ、対応していくサービスの見直し、新設などを通じて、会員数の維持拡大に努める。せっかく良い事業を実施していても、知られていないという面があるため、ニュースリリースの効果的な活用やターゲットに合わせた媒体活用により、会議所の取り組みを理解していただくようマーケティングを強化する」
「来年6月には、全国商工会議所観光振興大会の北海道開催が決まっており、札幌も開催地の一つとなるほか、来年10月には、札商創立120周年を迎えるなど、今期の中でも大きな取り組みもすでに決まっている。行政機関や他の経済団体と連携しながら、チャレンジングな事業展開を図り、信頼と実績を重ね、札幌の成長を目指して取り組んでいく」



































