札幌商工会議所会頭に安田光春氏、就任会見を全録

経済総合

 札幌商工会議所の新会頭に、前副会頭で北洋銀行(本店・札幌市中央区)会長の安田光春氏(66)が就任した。札商が、2025年11月4日に開催した第39期第1回臨時議員総会で選任されたもので、北洋銀行会長が札商会頭に就くのは、高向巌氏(2004年6月~2016年11月)以来となる。安田会頭はこの日、副会頭に指名した6人とともに札幌市中央区の札幌パークホテル3階で記者会見を行った。安田会頭の就任挨拶とメディアとの一問一答を全掲載する。〈やすだ・みつはる〉…1959年10月生まれ、慶應義塾大学商学部卒、1983年4月北洋相互銀行(現北洋銀行)入行。2004年4月経営管理部企画課長、2005年4月宮の沢支店長、2007年8月人事部調査役(石屋製菓出向)、2009年4月融資第一部副部長、2011年6月融資第一部担当部長兼与信企画室長、2013年6月執行役員融資第一部長、2014年6月取締役経営企画部長、2016年6月常務取締役、2018年4月頭取、2024年4月会長。公職では、2019年6月北海道経済連合会副会長、2021年4月北海道経済同友会代表幹事、同年6月第二地方銀行会長、日本経済団体連合会審議員

「岩田圭剛前会頭が築いた3期9年間にわたって積み重ねてこられた実績を基盤として継承し、地域経済を支えている中小企業、小規模事業者の支援、振興を図るとともに、地域社会の発展に寄与したい」

「物価上昇の影響や人手不足の対応など中小企業、小規模事業者の経営環境は、厳しさを増している。一方で、DXやAIといった技術革新の進展、GXを核とする北海道の強みを生かす潮流など、大きなチャンスも到来している。時代の変化を力強く乗り越え、次世代に誇れる札幌の未来を築くため、前進し、成長していくことが必要だ。そこで、3年間は、基本方針である『Forward!~企業と共に札幌の成長を目指す』を、スローガンに掲げて2つの柱から事業を展開する」

「一つ目の柱は、中小企業、小規模事業者の経営力向上を支援し、さまざまな課題に向き合い、課題解消に向けた支援を拡充して取り組む。多くの企業にかかわる喫緊の課題に、人手不足がある。採用競争が激化する中、多様な人材の確保、定着支援ばかりではなく、急速に進化するAIの活用やDXの推進による生産性向上、省力化を進めていく支援も、両輪で取り組んでいく必要があると考えている」

「また、中小企業が持続的に賃上げや成長投資の原資を確保するには、稼ぐ力の向上が不可欠。増加するインバウンドへの対応により、外資を稼ぐ取り組みをはじめ、道内外、さらには海外への販路を開拓するなど、各部会の取り組みを通じて、さまざまな業種の振興に向けた取り組みを進めていく」

「物価上昇分を上回る賃上げが求められる中、中小企業は、人手不足を背景に業績改善を伴わない防衛的な賃上げを強いられているのが、現状かと思う。このため、価格転嫁や取引の適正化を進めるべく、相談窓口の設置や『パートナーシップ構築宣言』の普及促進などを通じて、賃上げ、人材確保を後押ししていく」

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