飲食店、オフィスのテナントビル経営や賃貸マンション経営の桂和商事(本社・札幌市)が、札幌市中央区にある創業者夫妻の自宅を解体する作業に入った。既に解体作業は半分程度が終了しており、年内には10階建て賃貸マンションの建設が始まる。創業者夫妻は他界し邸宅は空き家だった。解体現場では桂和商事のシンボルともなっている獅子像がシートにくるまれて保管されていた。(写真左は解体工事が進んでいる桂和商事創業者宅。写真右はシートにくるまれた一対の獅子像)
桂和商事は、ススキノの飲食店ビルの所有からスタートし今年が設立50周年の節目。創業者で中国出身の武桂生氏は1991年に他界、夫人で二代目社長の和貞氏も2011年に亡くなっているが、夫妻はススキノの立志伝中の人物として語り継がれている。現在、社長は創業者の孫にあたる武賢樹氏が務めている。
創業者夫妻の自宅は、中央区南8条西17丁目の住宅街にあり、文字通り白亜の邸宅だった。敷地面積1661㎡で、正面玄関には桂和商事のシンボルにもなっている中国の獅子像一対が置かれていた。
余談だが、桂和商事の所有する飲食店ビルなどにはこうした獅子像が必ず設置されているが、いずれも中国で実際に石工が特別注文で掘ったものが輸入されて利用されている。
創業者宅の解体後には「南円山シャトー桂和」の名称で賃貸マンションが建設される。建築面積は812㎡、延べ面積は3712㎡。地上10階建てで高さは30・35mになる。2LDKから3LDKを中心に29戸を賃貸する予定。完成は来年夏ころ。