北海道経営未来塾第4回定例講座、ゲオホールディングス・遠藤結蔵社長(47)「成長の基盤は北海道」

経済総合

 官民連携で北海道の若手経営者を育てる北海道経営未来塾(塾長・長内順一未来経営研究所社長)は、2025年9月12日、第4回定例講座を札幌市中央区の札幌グランドホテル本館2階金枝で開催した。同塾10期生30数人が、今回の講師となったゲオホールディングス(本社・名古屋市中区)の遠藤結蔵社長(47)の講演に耳を傾けた。(写真は、北海道経営未来塾で講演するゲオHD・遠藤結蔵社長)
(写真は、遠藤社長と北海道経営未来塾塾生の集合写真)

 遠藤社長は、『当グループの事業モデル』と題して約75分間講演した。ゲオHDは、1986年に愛知県豊田市でレンタルビデオ店としてスタート、現在は、「ゲオ」「セカンドストリート」「OKURA」「ラックラック」の屋号で事業を展開、東京証券取引所プライム上場、年間売上高約4000億円、営業利益約100億円。遠藤社長は、ゲオHDについて、「北海道との縁が深く、北海道に育ててもらった会社」と紹介した。

 その一つとして、ニトリホールディングス(札幌本社・札幌市北区、東京本社・東京都北区)の似鳥昭雄会長との縁について触れ、「似鳥会長の子息と親しいこともあって、2011年に私が社長に就任して以来、四半期決算ごとに東京本社にお邪魔して、もう15年近く指導を受けている。ニトリさんのような会社になりたいというのが、一番にある」とした上で、「2013年頃に似鳥会長から、『君の会社に理念や社是はあるのか』と問われ、当時の当社の規模では必要だと言われ、企業理念として『豊かで楽しい日常の暮らしを提供する』、社是を『change as chance(変化の中にチャンスあり)』に決めた」と話した。

「change as chance」は、脱サラして創業した実父の故・結城氏がよく使っていた言葉、「いきあたりばったり」を言い換えたものだという。事業の根幹にあるのは、「変わらないと生き残れない」「世の中の流れに合わせること=変わること」という考え方だと強調した。

 もう一つの北海道との縁として、経営未来塾1期生の東京研修を挙げ、東京側の若手経営者のまとめ役を遠藤氏が務め、塾側のまとめ役が、リラィアブルの佐藤暁哉社長だったことを紹介、「佐藤さんとは生年月日が一緒で、ゲオではなくTSUTAYAの展開をしていたこともあって、なぜか意気投合。現在も交流を続けている」と不思議な出会いがあったことを話した。

 遠藤社長が、北海道に育ててもらったと話したのは、2人との出会いもあるが、2002年にそうご電器の民事再生スポンサーになったことも大きく影響している。「そうご電器は、北海道の主要都市で展開していたため、ゲオは、それを引き継いで道内の知名度を高めたほか、そうご電器の携帯電話事業も引き継ぎ、それが今日の中古スマホ事業に結びついている。セカンドストリートやOKURAなど、リユース事業の土壌は、そうご電器から引き継いだものだ」と話した。

 ゲオHDの事業について、「投資家からも選択と集中をした方が良いと言われるが、リユース業がいつまでやれるかという危機感がいつもある。次の事業の準備をしておかないと怖い気持ちが強い。そういう意味では、なるべく選択肢を増やしておきたい」と話した。さらに、「ゲオの事業をやめて、セカンドストリートに注力した方が、おそらく筋肉質で利益率の高い会社になるだろう。しかし、ゲオをやめれば、後がなくなるかもしれない。ゲオの中に次のチャンスがあるかもしれない。そう思ってゲオを続けている」と訴えかけていた。

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