カンディハウスとイトーキ、北海道発の協業を全国展開

経済総合

 木製家具でライフ&ワークスタイルを提案しているカンディハウス(本社・旭川市)は、イトーキ(同・東京都中央区)と北海道産を活用した家具の共同開発を開始した。2社は、2024年から北海道で地域材を活用した空間提案を推進、木の心地良さをオフィスに取り入れてもらう協業を開始している。今後は、全国規模での提案強化と家具製造過程で生じる北海道産材の端材や未利用材の活用による家具開発を進め、2026年の製品化、プロジェクト受注拡大を目指す。(写真は、協業例の荒井建設のコミュニケーションスペース)

 カンディハウスは、住宅市場の縮小から、法人営業の強化を図り、オフィス対応製品の開発や東京に2016年にオープンオフィスを開設するなど、デザインにこだわった木質感豊かなオフィス提案を行っている。また、2014年より北海道産広葉樹の活用を推進、当時8%だった北海道産材使用率を10年間で約80%まで高めている。

 一方、イトーキは、オフィスの家具納入に留まらず、空間デザインや働き方のコンサルティングを通じた付加価値の高いオフィス空間の提供に力を入れている。コロナ禍を経て、出社回帰に戻る中、企業は、従業員の帰属意識を高めるシンボリックな空間やコミュニケーションを促進するオフィスの設計が求められるようになってきた。ESG経営や地域創生への関心の高まりから、地域資源を活用した空間づくりも求められるようになっている。

 こうした課題に対して、イトーキが培ってきた空間デザイン力や人間工学に基づく製品開発力と、北海道産材を活用した高いデザイン性と使い心地を誇るカンディハウスの家具づくりを掛け合わすことで新たな価値を創造するため、今回の協業に至った。
 
 協業の一例目になったのは、旭川市に本社を置く荒井建設のオフィス改修プロジェクトとして整備したコミュニケーションスペース。イトーキが、全体の空間デザインや設計、家具計画を行い、カンディハウスの北海道産材家具で空間の質を高めた。打ち合わせブースやハイテーブル、靴を脱いで過ごせる小上がりスペース、仮眠が可能なエリアなど、多様なシーンを考慮した空間となっている。

 今後は、道内でのオフィス新築やリニューアル案件を中心に、ロビーやエントランス、待合スペースといった企業の顔となる空間にカンディハウスの家具を組み込んだ提案をさらに強化し、年間4~5件の受注を目指す。カンディハウスは、2026年に法人取引比率を2024年比で5ポイントアップの25%、総売り上げを同10%増の34億円に拡大する。さらに、新たなオフィスアイテムの協同開発や提案を全国規模に広げて受注拡大を目指す。

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