北海道の地酒「北の錦」で知られる小林酒造(本社・夕張郡栗山町錦3丁目109番地)は、105年ぶりに酒蔵を建設する。5年前から進めてきたプロジェクトで、製造量に対応した適正規模の酒蔵とすることで、品質管理を徹底して良質な日本酒生産を図る。2026年2月から生産を始める。(写真は、小林酒造の新酒蔵建設地)
小林酒造は、1878年、札幌で道内清酒の先駆けとして酒造りを開始し、1900年から栗山の地に移った。以降、一番蔵から六番蔵まで建設、日本酒の製造を行ってきたが、直近は別の仕込み蔵で対応し、一番蔵から六番蔵は、貯蔵用などに利用してきた。今回、六番蔵に続く酒蔵として、105年ぶりに新酒蔵を建設することにした。七番蔵は、札幌市内でかつて出店していた日本酒と小料理の店舗の屋号として利用してきたため、八番蔵とした。
八番蔵は、清酒製造量に見合った適正規模として、品質管理を徹底できる酒蔵にする。鉄骨造2階建て、延べ床面積は約320坪。設計、監理はアトリエオンド一級建築士事務所(札幌市中央区)、施工は岩田地崎建設(本社・同)、工期は2025年4月9日から同年12月26日までとなっている。設計、監理のアトリエオンドは、上川大雪酒造(同・上川郡上川町)が建設した「緑丘蔵」(同)、「碧雲蔵」(帯広市の帯広畜産大学構内)、「五稜乃蔵」(函館市)のほか、日本清酒(本社・札幌市中央区)の新酒蔵などを手掛けている。
小林酒造の小林米秋取締役は、「5年前から進めてきたプロジェクトで、当社147年の歴史を引き継いだ新酒蔵にしたい」と話す。製造能力は1000石(180kl=一升瓶換算10万本)、2026年2月から製造を開始する。