札幌中央倫理法人会(星澤幸子会長)は18日、今月初めに北海道倫理法人会会長に就任した土屋公三・土屋ホールディングス(HD)会長(72)を講師に招き、経営者モーニングセミナーを札幌市中央区のホテルライフォート札幌で開催した。札幌中央倫理法人会は毎週1回早朝のセミナーを開催しており、今回は599回目。中小企業経営者など約70人が参加、土屋氏は『倫理と使命感経営』をテーマに45分間講演した。(写真は講演する土屋公三氏=2013年9月18日午前7時ころ)
土屋氏は、昭和35年に高卒で段ボール製造のレンゴーに入社。当時は高度成長真っ盛り。東京オリンピック景気も手伝って工場は24時間のフル操業。土屋氏は4月入社で5月の大型連休が過ぎるまで1日も休まず働いたことを記憶しているという。
専従ではなかったものの労働組合書記長に若くして就任、会社相手に労働条件改善に取り組み、その時に「経営者ほど問題のある職種はない」と痛感したそうだ。その後、自身が経営者になってみて「やはりその通りだった」と会場の笑いを誘った。
労組書記長として活動したものの挫折、「脱サラですよ。脱サラと言っても私の場合は“脱落サラリーマン”。その後は損保代理店を経て住宅の仲介を始めましたが、何を一生の仕事にしようかと悩んでいた時、北海道神宮に毎日朝9時に参拝、2ヵ月目に笑われるかもしれませんが神の声を聞いたのです」
神の声は、名前に由来するものだったという。「土地と家屋で“土屋”。売り手、買い手、世間の三方に公平であることを示す“公三”。それで家に関わる仕事を一生の仕事にしようと決意しました」
その後は、順調に社業は発展したが、土屋氏の第一子が障害を持って生まれたことで転機を迎える。「お金でも医療でも宗教でも救われないことがある。あるがままを受け入れるしかない。そう感得しました」
土屋氏は人間が成長を続けるために何が必要かという問題意識を抱き続け、有無名問わず100人以上の“心の師匠”を持っているという。その中から、土屋氏なりに導いた指針として『使命感』や『成功への十訓』、『行動の基本指針』など創りだしたが、基本的には5つに集約できると紹介した。
「1はプラスの発想。2はものの考え方を長期、複眼で捉える。3は人生は己の責任。4は人からのアドバイス、指導を素直に受け入れる。5は一生勉強。私は72歳を過ぎたが、悩みを抱えながら毎日朝3時過ぎに起きて勉強を続ける生活を送っている」
土屋氏は最後に朝早く起きる効能について説明。「人間は大概惰性で生きているもの。それを断ち切れるかどうかが大切で、朝早く起きるのは寝ていたいという欲求を断ち切る意味で効果がある。朝が自分を鍛える。毎日、朝起きるときが人生で一番若い時。そう思いながら日々過ごしています」
土屋氏は9月1日に北海道倫理法人会会長に就任、今回が会長就任後初の講演となった。