働く人の住宅が足りないニセコ、東急不動産が木造ムービングハウスの寄宿舎開設

経済総合

「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」(虻田郡倶知安町ニセコひらふ1条2丁目)を展開している東急不動産(本社・東京都渋谷区)は、同町ニセコひらふ4条3丁目に、寄宿舎「NATURE NISEKO HIRAFU(ナチューレニセコヒラフ)」を開設、冬期間ニセコで働く就業者の住宅不足解消に取り組み始めた。冬季シーズン終了後は、ニセコで続いている、宿泊施設建設工事に従事する就業者の利用を想定している。(写真は、アーキビジョン21の木造ムービングハウスを使った寄宿舎「NATURE NISEKO HIRAFU」)
(写真は、リビングルームに設置されているリフトをリメイクしたソファベンチ)

 東急不動産は、スキー場の更新とニセコ地域の課題解決に取り組むことを目的に、総額100億円を投じる「Value up NISEKO 2030」プロジェクトを展開しており、寄宿舎事業もその一環。住宅不足による雇用難は、地域事業者共通の課題となっているほか、市街地からの通勤による渋滞も問題になっており、これらの解決に繋がる選択肢の一つとして、寄宿舎「NATURE NISEKO HIRAFU」を開設した。立地場所は、東急リゾートが所有している遊休地で、スキーリゾートが集積しているニセコひらふ1条~2条まで、2km足らずの距離。

(写真は、部屋の内部)

 アーキビジョン21(本社・千歳市)の木造ムービングハウスを利用しているため、一般的な賃貸住宅のような工事期間は必要ない。アーキビジョン21の工場で製作したムービングハウスをトレーラーで持ち込み、2階建てに組み上げて短期間で利用できるようにした。2024年12月から、地元飲食店や交通事業者など法人と定期建物賃貸借契約を締結、法人で働く従業員の入居が始まった。

 広さ12・5㎡の部屋が100室、25㎡の部屋が10室ある。各部屋にトイレ、シャワー、テレビ、冷蔵庫、電子レンジを完備し、一部の広い部屋には、専用のドラム式洗濯乾燥機も備えている。共用部は、キッチン、リビングルーム、洗濯乾燥室に分かれ、リビングルームには、更新したゴンドラの前に使われていた「エース第2センターフォーリフト」をリメイクしたソファベンチ2基が、設置されている。また、24時間の完全無人売店、スマートストアも導入した。

 延べ床面積は約620坪(約2050㎡)、家賃は5万7000円~8万9000円。木造ムービングハウスを利用した100戸超の寄宿舎は、道内では初めてという。なお、同ハウスは、災害時に緊急仮設住宅としても利用されている。

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