広告マーケティング事業を展開するインサイト(本社・札幌市北区)は2025年1月23日、札幌証券取引所アンビシャス市場から本則市場にステップアップ上場した。アンビシャス市場から本則市場にステップアップ上場した企業には、北の達人コーポレーション(現在は東証プライム市場との重複上場)やキャリアバンク、FUJIジャパンがある。(写真は、有価証券上場通知書の交付式。左から札証・石井純二理事長、インサイト浅井一会長)
(写真は、有価証券上場通知書交付後の記念写真)
札証アンビシャス市場から本則市場にステップアップするには、株主数100人以上から300人以上、総資産額1億円以上から3億円以上、流通株式数が、発行済み株式数の25%以上などの要件を満たさなければならない。インサイトは、2008年2月に、アンビシャス市場に上場、その後、本則市場ヘの市場変更に挑戦してきたが、リーマンショックや東日本大震災、北海道胆振東部地震、コロナ禍など広告業界の苦境で、中断せざるを得ない状況に追い込まれた時期が長かった。
新聞折込チラシやマスメディア4媒体の売上高は、減少傾向が続いているが、ふるさと納税業務など観光コンサル事業が順調に拡大、介護福祉子会社など不採算事業の撤退などを受けて、本則市場への上場要件をクリアしたことから、アンビシャス上場から15年でステップアップすることができた。
この日、札証2階会議室で行われた有価証券上場通知書交付式で、インサイトの浅井一会長は、「設立50周年の節目の年に、本則市場に市場変更できたのは万感の思い。当社の特徴は、デザイナーなどクリエイティブ部門を内製化していることや、インフルエンサーマーケティングの自主メディア(インサーチ)を保有していること。昨年4月に開設した東京オフィスでは、首都圏の顧客にアプローチも進めており、強みを生かして、クライアントと共に事業を拡大していく姿勢を大切にしていきたい」と話した。
その後、浅井会長、浅井亮介社長ら5人が、恒例の札証の鐘を鳴らして、本則市場上場を祝った。インサイトの2024年6月期は、売上高25億2400万円、営業利益9400万円、純利益1億2200万円。2025年6月期は、売上高23億円、営業利益7000万円、純利益7800万円を予想している。なお、トップ株主は、発行済み株式数の37・57%を保有する浅井一会長(2024年6月期)。