テナントビルや賃貸マンションを手掛ける桂和商事(本社・札幌市)は、札幌市中央区にある創業者夫妻の自宅を取り壊し、10階建ての賃貸マンションを建設する。創業者夫妻はすでに他界、自宅は空き家となっていたもので9月下旬から取り壊しを始め、10月下旬に着工、来年夏ごろに完成させる。同社の賃貸マンションとしては8棟目になる。(写真左は、取り壊されて賃貸マンションが建設される創業者宅。写真右は今も掲げられている創業者夫妻の表札)
桂和商事は、ススキノの飲食店ビルの所有からスタートし今年が設立50周年の節目。創業者で中国出身の武桂生氏は1991年に他界、夫人で二代目社長の和貞氏も2011年に亡くなっている。
創業者夫妻の自宅は、中央区南8条西17丁目で敷地面積は1661㎡。玄関前には桂和商事のシンボルでもある中国の獅子像が一対置かれているほか、夫妻が死去して以降も表札が掲げられている。
賃貸マンションは、「南円山シャトー桂和」の名称でこの敷地を使って建てられ、建築面積は812㎡、延べ面積は3712㎡。地上10階建てで高さは30・35mになる。2LDKから3LDKを中心に29戸を賃貸する。設計は日本グランデ(札幌市)。
桂和商事の創業夫妻は、戦後の1947年に東京からススキノに新天地を求め、東京で働いていた中華料理店をヒントにラーメン店、中華料理店、パチンコ店を経営。55年に開いた「串カツの店串たけ」で成功、串たけ周辺の店舗を買い取り、63年に当時のススキではは珍しい5階建ての飲食店ビル「第1桂和ビル」を建設して同社を創業したのが始まり。桂和は夫妻の名前から1文字ずつ取ったもの。桂生氏は中国人だが和貞氏は日本人。
現在は創業者の孫にあたる武賢樹氏が社長を務め、飲食店ビル20棟、オフィスビル12棟、賃貸マンション7棟を保有する企業に成長している。