エア・ウォーター(本社・大阪市中央区)の北海道事業を統括するエア・ウォーター北海道(同・札幌市中央区)は、JR桑園駅近くにオープンイノベーション拠点「エア・ウォーターの森」を2024年12月6日に開業する。それに先立って、5日に行われた内覧会で、エア・ウォーターの豊田喜久夫会長・CEOは、「間違いなく、北海道は日本で一番成長する地域や。新しいエア・ウォーターをつくるためにこの施設を造ったんや」と強調した。(写真は、内覧会で会見するエア・ウォーターの豊田喜久夫会長・CEO)
(写真は、「エア・ウォーターの森」外観)
「エア・ウォーターの森」は、JR桑園駅近くのエア・ウォーター物流本社跡地を利用して建設。北海道産カラマツ100%を使った耐火集成材を構造体に使用、木造建築としては、北海道で一番大きい。木目調ではなく、本物の木を使い、一部は、鉄骨を利用している。施設内の植物は全て本物。地上4階建てで、1階には、エア・ウォーターグループが、北海道で生産している果物や野菜、ハム、ソーセージなどを使用したレストランや150人収容のホールなどを設置、市民に開放する。
(写真は、吹き抜けとなっている内部)
2階から3階が、個室や壁のない空間を設けたイノベーションの交流空間、4階は、エア・ウォーター北海道の本社の一部と先端研究部署が入る。また、屋上には庭園を設け、市民菜園としても利用できるようにする(冬期は閉鎖)。延べ床面積は約2558坪(8444㎡)、総工費は約50億円。
北海道の社会課題解決に関わる新事業の創造や開発、発信拠点となるもので、大学や研究機関、自治体、企業、スタートアップと連携、「エネルギー・環境」、「農業・食」といった、北海道のポテンシャルが生かせる新事業の創出に、広く門戸を広げて取り組む。
内覧会の会見で豊田会長・CEOは、「カーボンニュートラルと食料危機への対応は避けて通れないが、それらの課題を解決できるのは、どこかと考えたら、北海道なんやな。また、ラピダスの半導体工場進出によって、多くの企業が千歳地域に入ってくる。間違いなく、北海道は、日本の中で一番成長する地域や。私、これだけは明言して、(本社のある大阪に)帰りますわ」と、施設にかける思いを表現した。
エア・ウォーターの前身の一社は、ほくさん。1929年、北海酸素として札幌・菊水で生まれ、今年が創業95年。「新しいほくさん、新しいエア・ウォーターをつくりたいという思いで、この施設を造った」(豊田会長・CEO)とも話していた。