ーー丘珠空港の活用や北海道新幹線札幌延伸効果についてはいかがですか。
岩田 丘珠空港に関しては、当会議所も丘珠研究会にも入って活動しています。以前から私たちは、防災拠点にするべきだと活動を続けています。今は、タイミングよく防衛予算が付いていますから、防衛省と折衝して活用策を検討していきたい。早く滑走路を延長してもらい、アクセス改善にも繋げたい。まだ具体的に動いているわけではありませんが、空港ビルを西側に建て替え移転すれば、地下鉄駅により近くなります。それこそ防衛の土地ですから、そういうことができないか、と考えています。滑走路延伸とターミナルビル建て替えを同時に行えれば良い。
北海道新幹線札幌延伸は開業が遅れるという話もありますが、2030年度に期日通り開業してもらえるように、私たちは一生懸命お願いしているところです。
ーー札幌オリンピック・パラリンピックの誘致断念について。
岩田 非常に残念な思いです。オリンピック・パリンピック開催の意義をなかなか伝えきれなかった。それよりも先に、東京オリンピック・パラリンピックのさまざまな問題がもたらした影響が大きく、不信感を拭いきれなかった。1972年のオリンピック開催によって地下鉄、地下街、高速道路が走り、それがまちの成長の起爆剤になり、50年間で人口が倍になりました。今は、人口減少が始まり、成長ではなく、健康やユニバーサルといった人に優しいまちづくりに進む大きなきっかけになると思っていましたから、非常に残念です。
1972年の招致活動と今の招致活動は全く違います。私たちが直接IOC関係者と接触することは一切禁止されていました。そういう意味ではオリパラに関する情報は、JOCや市を通してという形だったので、もどかしい部分はありました。伊藤さんの時代は、IOCなどに行って直接お願いしていましたから。IOCからは、東京オリンピックのマラソン札幌開催について、素晴らしい運営だと高く評価してもらっていましたから、なおさらです。正直、まだ諦めてはいませんが、38年までは厳しい。ただ、38年開催が全くないわけではないと思っています。
ーーオリンピック・パラリンピックは遠のきましたが、まちづくりは進めていかなければいけない。
岩田 これから長寿社会になっていきますし、みんなが等しく住めるまちになっていくことが必要だと思っています。健康で便利で、きれいなまちを実現していきたい。
ーー第2青函トンネル実現に向けた動きはどうですか。
岩田 今の青函トンネルの新幹線・在来線共用運行は、速度などに課題を抱えています。また、開通から38年目を迎え、維持費もかかる状況になっていくと思うので、早く道路も組み込んだ第2青函トンネルを実現したい。3・11の時、東北地方整備局から北海道開発局にガソリンを運んでほしいと要請がありましたが、当時、ガソリンを積んだタンクローリーはフェリーに乗れなかったので、RORO船などに乗せて運んだことがありました。その時、道路で本州と繋がっていれば、と強く思いました。第2青函トンネルの実現に向けてこれからも強く運動を続けます。早期にと思っていますが、トラック運転手の残業規制強化の2024年問題によって、トラックからフェリーへの流れも出ています。その辺りをうまく調整しながら対応したい。
いずれにしても、道路が繋がっていることは絶対的に必要なので、第2青函トンネルを何とか実現したい。その機運も、かなり盛り上がってきている。何年も前から陳情を続けていますし、他の団体も第2青函トンネルをうたっていますから、北海道にとっては絶対に必要だと思います。
ーー札幌ドームに活性化策についてお聞かせください。
岩田 当会議所も株主なので、早急に手を打っていかなければならない。ただ、現時点で具体案を持ち合わせているわけではありません。市とも協調して対応したい。