ユーラスエナジーホールディングス(本社・東京都港区)のグループ会社、合同会社道北風力(同・稚内市)が、天塩郡豊富町で建設を進めている、日本最大の陸上風力発電所「芦川ウインドファーム」(規模12万8800kW)の北側区画(規模6万8800kW)が完成、2024年1月4日から営業運転を開始した。(写真は、営業運転を開始した芦川ウインドファームの北側区画)

 道北地域は、国内でも数少ない風況に恵まれた風力発電の適地だが、電気を需要地に送るための送電線に空き容量がないことが課題だった。ユーラスエナジーホールディングスなどが出資して設立した北海道北部風力送電(本社・稚内市)が、国の補助を受け、2023年4月に大規模な送電網と蓄電池設備を整備、商業運転を開始させたことで、この地域で大規模な風力発電の導入を進めることが可能になった。

 芦川ウインドファームは、北側区画(4300kW×16基、6万8800kW)と南側区画(4300kW×15基、6万kWに出力抑制)の2つのエリアから構成される。両区画ともに1基当たりの出力が国内最大級である、4300kWのシーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー社製の風力発電機を採用する。発電する電力は、北海道電力ネットワーク(本社・札幌市中央区)へ全量売電する。2025年春に運転を開始する南側区画も含めると、一般家庭約9万4000世帯の消費電力に相当する電力を供給するとともに、年間14万6000tのCO2削減効果が見込める。EPC(設計、調達、建設・試運転)は清水建設(同・東京都中央区)。


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