キャリアバンクやエコミック、SATO社会労務士法人などSATOグループは、二木(ふたつぎ)英一・二木PSPコンサルティング(東京都)社長を招いたオープンセミナーを開催した。テーマは『身の丈にあったリーダーシップ開発と消費者理解のマーケティング』。大手コンサルのマーケティングと違い、中小規模のスーパーなどで活用できる現場共感マーケティングについて実践的な例を提示しながら分かり易く説明した。
二木氏は日体大の学生時代にアメフト部主将を務めた経験から、コンプレックスが逆にリーダーシップに繋がることを体得したという。「僕はいつも顔が赤くそれがコンプレックスでもあったのですが、ある経験を経てそれが僕自身の個性であり人に影響を与えることもできることに気付いた。物事の結果というのは、能力×熱意×人間性。人はどんな影響を人に与えられるかを掘り下げていくとコンプレックスも武器になるということ」と語り、『与える』、『許す』、『愛する』という3つの感謝する心を持てば、組織も人もどんどん変わっていき、自発的な組織として動いていくとした。
人はどんな時にモチベーションが上がるかについて、『結果への期待』と『行動への期待』が上手に噛みあうときだとし、「感謝されると行動が変わり、行動が変わると結果が変わり、結果が変わると価値観が変わる。価値観が変われば人への影響力も変わる」と述べた。
二木氏は日体大卒業後にサンエスに入社してスーパーへの商品納入を担当、コンサルティングを受ける身だった。そこでいつも感じていたのは、マーケティング、差別化、データ分析という外から内(消費者)に向かうコンサルは仮説に過ぎず、働く人の意識は変わらない→消費者の心に響かない、ということだった。そんな疑問を抱きつつ退社後に日本メンタルヘルス協会公認カウンセラーや内閣府公認産業心理カウンセラー、日本交渉学会認定2級交渉アナリストの資格を得て中小スーパーなどに合致した『二木PSP現場共感マーケティング』を開発、「一人の消費者の理解を得られることを原点にすると消費者の立場や役割、都合、責任、心理が共感できるようになる。内から外への超ミクロマーケティングが類似化ではない差別化に繋がる」と訴えた。
二木氏はあるミニスーパーでの体験を紹介、「近くのスーパーに客を取られて売上げは下降を続いていたが、これを挽回するサービスとして雨の日などに従業員が買い物客の買った商品を傘をさして車まで持っていくサービスを始めた。それが好評で売り上げ低下に歯止めがかかり伸び始めた。消費者の理解をベースにした超ミクロマーケティングの一つでこれこそが本当の差別化」と語った。
また二木氏は、アイドルグループAKB48が成功した要因として感情移入ができる状況を作れたことを挙げも、「レンタル農園や子どもの職場体験など中小スーパーが消費者の感情を的確に捉えてマーケティングに生かすことが差別化に繋がる」と結論付けた。