札幌証券取引所アンビシャス市場に上場していた北の達人コーポレーション(本社・札幌市)が27日、札証本則市場に市場変更になった。時価総額や株主数などが本則市場の要件を満たしたためで昨年5月のアンビシャス上場からわずか10ヵ月でのスピード昇格。木下勝寿社長は「売上げを5倍、10倍に発展させる準備に入っており早いうちに東証2部を目指したい」とコメントした。(写真左は、上場市場変更通知書を手にする木下勝寿社長=右と小池善明札証理事長。写真右は上場市場変更通知書)
 
 北の達人コーポレーションは、北海道の原材料を使って付加価値を付けた健康食品、化粧品のインターネット販売で成長している。
 木下社長は、44歳。関西大学在学中から学生起業家集団に所属し大学卒業後にリクルート入社。その後、広告代理店として独立したものの挫折。再起を目指して北海道の物産品をネット販売する事業を始め、軌道に乗った段階で札幌に移住したが、類似サイトが続出して差別化が図れずに方向転換。北海道の原材料を使ったオリジナル商品のネット販売に特化することで成長のきっかけを掴んだ。
 
 木下社長が、学生起業家集団に所属していたころに知り合ったのが、現在のKlab社長の真田哲弥氏やエニッシュ社長の杉山全功氏、GMOインターネット社長の熊谷正寿氏らベンチャー経営者だった。Klabは2011年9月に東証マザーズに上場しその後8ヵ月で東証1部に昇格、エニッシュは昨年12月に東証マザーズ上場、GMOインターネットは東証1部上場企業。モバイルゲームやソーシャルアプリ、インターネット関連の企業で木下社長がこうしたかつての仲間たちから刺激を受け、追いつけ追い越せと目標にしてきたのは間違いない。
 
 ただ、事業に関して木下社長の考えは極めて堅実。ニッチマーケットでシェアの寡占化を図ることをベースにしており、現在同社の主力商品になっている健康食品『カイテキオリゴ』のように1つの商品で年間10億円の商材を揃えること。「10分野で100億円が当面の目標」(木下社長)としている。
 
 アンビシャス市場から札証本則市場の指定替えは、北の達人コーポレーションが北海道を代表する企業になる第一歩と言えそう。札証本則市場から東証1部へ昇格したのはニトリホールディングス(旧ニトリ)が代表格。ニトリは今や日本を代表する家具チェーン店になった。北の達人コーポレーションが第2のニトリとして東証へステップアップし北海道発の全国企業になることに期待が高まっている。


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