約4年前の火災により解体、建て替えを進めてきたドーコン(本社・札幌市厚別区)の新本社ビルが外観を現わしてきた。コンセプトは「歴史を継承しつつ、新時代を切り開く、創造性を刺激する本社ビル」。そのコンセプト通りのスマートで新たな時代を予感させる表情を見せている。(写真は、2023年9月に竣工するドーコン新本社ビル)
札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4-1にあったドーコンの旧本社ビルは、鉄筋コンクリート造の地下2階、地上10階建て、延べ床面積約6970坪(2万3000㎡)で、1997年に竣工した。この本社ビルが原因不明の火災に見舞われたのは、2019年10月29日未明だった。火元は4階で、内部の吹き抜け構造が火の回りを早め、建物の損傷を激しくした。火が回らなかった3階から下層の階と5階から上層の階はそれほど損傷を受けていなかったが、ドーコンは解体を決め、2020年7月から解体工事を開始。解体工事は、大成・伊藤・岩田地崎特定建設工事共同企業体が担当し、本間解体工業(本社・札幌市西区)も参加した。
解体後の2020年12月から新本社ビル建設が始まった。敷地面積約1061坪(3504・13㎡)、そのうち建築面積として約502坪(1658・60㎡)を使って、地下1階、地上10階建て、鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造の建物を建設中。延べ床面積は約5050坪(1万6665・55㎡)、建物の高さは52・600m。建築主はドーコン、設計、監理もドーコン、施工は大成・伊藤・岩田地崎特定建設工事共同企業体。竣工は、今年9月末の予定。
火災後に分散していたドーコンのオフィスは、新ビル竣工後に一元化される見通し。外壁は白でガラス張りのビル外観は、時代を先取りするような“攻め”の印象を放つ。折しも新札幌地区は、市営住宅跡地を利用した新施設が誕生し、秋には“まちびらき”が行われる。ドーコン新本社ビルは、変わる新札幌の仲間入りをすることになる。