札幌証券取引所は2023年5月30日、個人投資家向け会社説明会(札証IR)を開催した、コロナ禍によって、2019年12月の開催以来、およそ3年半ぶりのリアル開催となった。個人投資家ら約50人が出席した。(写真は、3年半ぶりに多くの個人投資家が集まった札証IR)
札証2階会議室では、個人投資家らが互いに「久しぶり」、「お元気でしたか」と声を掛け合うなど、3年半ぶりの開催を喜んだ。IR(インベスター・リレーションズ)を行ったのは、東京証券取引所プライム市場と札幌証券取引所本則市場に上場しているCEホールディングス(本社・札幌市白石区)の齋藤直和社長。同社は、電子カルテなど病院で使用される医療情報システムの開発、販売、運用がグループの主な事業で、同社グループの電子カルテを導入している医療施設件数は全国約900件弱だが、「一旦導入が決まると6~7年間は継続して利用するケースが多く、毎月新規導入が20件ほどあるため、導入件数は安定して増えている」(齋藤社長)と説明した。
事業を取り巻く変化として、2021年10月から始まったマイナンバーカードの健康保険証としての利用、2023年1月からの処方箋の電子化を挙げ、「今後はスマートフォンを使った医療情報の提供などが行えるシステムを開発して、自治体や製薬企業との共有を図っていきたい」と話した。
同社は、中期経営計画を実行中で、2023年9月期に営業利益予想6億1000万円から6億9000万円に上方修正、同期の売上高営業利益率を11%と想定。中計終了年の2025年9月期に同利益率を17%に、2030年9月期には20%を目指すとした。
齋藤社長は、参加者の質問に答える形で、中小病院の電子カルテ導入意欲が高まっており、市場の広がりが期待できること、ソフトの進展で開発費負担が以前ほど収益を圧迫しなくなったことを示した。最後に杉本恵昭会長が、東京オフィスが入る自社ビルを取得したことを明らかにしたうえで、今後は利益率の高い企業を目指すことを強調してIRを終了した。