札幌証券取引所は29日、個人投資家向け会社説明会「札証IR」を開催、キャリアバンクの佐藤良雄社長とほくやく・竹山ホールディングスの眞鍋雅昭社長がそれぞれ事業戦略や業績見通しについて講演した。佐藤社長は、「北海道の労働市場を再び作り変える使命感で事業を推進している」と語り、眞鍋社長は「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に進出、今年中には建設する」と説明した。会場となった札証2階会議室には道内の個人投資家約80人が出席した。(写真左は佐藤良雄社長、写真右は眞鍋雅昭社長)
 
 札証本則市場に上場しているキャリアバンクは、北海道で初めての人材派遣業として1987年に設立、25年の節目を迎えた。設立の目的について、創業社長の佐藤氏は「転職市場が未発達で、一度転職すると給与は下がり会社規模も小さいところしかなかった。自由な転職市場がなければ豊かな国、豊かな北海道はできないと道内初の人材紹介業の起業を決意した」と問題解決型の創業だったことを強調。そのうえで「この目的は10年ほど前には解決でき、転職市場では選択の自由が広まりキャリアアップや給与アップ転職が可能になった。今は2つの解決すべき問題に邁進している」と訴えた。
 
 佐藤社長が新たな使命感のもとで取り組んでいるのは、中高年層の経験や能力が適正に評価される転職市場の創設と仕事を楽しむ風土を作ること。
 
「私は今、59歳だが社長を辞めて転職しようとしても(社長以外は)働く場がないだろう。目下の労働市場の問題は60~70歳で働けるのに仕事がないということ。労働市場の作り方が間違っている。良い国とは働きたいと思っている人がいつまでも働けることだ。北海道でそれを実現したい」(佐藤社長)
 
 また、仕事を楽しむ風土について、高校や大学生にゲームや旅行を楽しむような感覚で働くような労働観、仕事観を持ってもらいたいとし、「有意義な仕事とは、わくわくするような感覚を持つことであり、そういう風土を作っていきたい」(同)と訴えた。
 
 同じく札証本則市場に上場しているほくやく・竹山ホールディングスは、北海道に特化した医薬品・医療機器卸、介護、リハビリ事業を展開しており、眞鍋社長は「病気の予防、治療、介護など全部をカバーするヘルスケアのワンストッププロバイダーのビジネスモデルを追求している」と紹介。
 
 その流れから医療介護連携住宅、いわゆるサ高住を今年から本格展開することを明らかにした。また、今年がルーツである眞鍋薬品の創業から100周年になることも含め、「2013年3月期には1株当たり純利益が51円76銭となるメドが付き配当の増額を視野に入れて検討している」と語り12円からの増配を示唆した。


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