証券会員制法人札幌証券取引所は2023年5月24日、ソフトウェア・システム開発の常駐支援などを行っているGSI(本社・札幌市北区、札幌太平オフィス・同)の本則市場上場を承認した。上場予定日は、同年6月27日(火)。本則市場の新規単独上場は、2000年8月の北弘電社(同・同市中央区)以来23年ぶり。今回の上場によって、札証の上場企業数は61社となり内本則市場は51社、単独は10社となる。(写真は、会見するGSIの小沢隆徳社長)
GSIは、2004年10月に札幌で有限会社GRUE SYSTEMSとして現代表取締役会長の工藤雅之氏(48)が創業。2006年10月にGSIに社名を変更、株式会社化した。大株主は、工藤氏の資産管理会社で約9割を保有している。
ITエンジニアを顧客先に常駐させ、Javaと呼ばれるプログラミング言語によって勤怠システム、販売管理システム構築、スマートフォンアプリの開発支援などを行っている。札幌、東京、大阪、仙台の5拠点があり、社員数は488人(2023年4月1日現在)。2023年3月期の売上高は、36億5400万円、営業利益は4億3000万円、純利益は2億8900万円で、前期比8・1%の増収、3・6%の営業減益、4・3%の純利益減だった。取引金融機関は北洋銀行、三井住友銀行。
GSIの小沢隆徳社長(44)は、上場について「2020年から上場準備をしてきた。上場を通じて新しいステージに進むことをうれしく思っている。成長と発展の重要な一歩となる」と話した。同社の強みについて、「ソフトウェア開発は通常10人、20人のチームで行うが、当社は下請けパートナーの比率が少なく、半分以上が自社の社員。チームワークが良く、質の高い開発支援を実現しており、その結果、顧客の信頼を得て仕事が増えている」とした。そのうえで、「ライバル企業を意識して仕事をしたことがないので、競合企業はよくわからない」とも述べた。
成長企業が上場するアンビシャス市場ではなく、本則市場を選択したことについて、「特に意味はないが、当初から本則上場を目指していた」(小沢社長)としつつも、近い将来に東京証券取引所グロース市場へのステップアップは「当然考えている」とした。
上場で30万株の公募増資を行い約4億円を調達、人材採用や研究開発費投資に充当する。今期採用は90人以上としている。監査法人は三優監査法人、幹事証券は岡三証券。なお、GSIの社名は、GLUE、SOFTWARE、INNOVATIONの略。SOFTWAREで新しいサービス、製品を開発(INNOVATION)、仕事やモノ、暮らしに結びつける(GLUE)ことによって、人々の暮らしを豊かにしたいという願いが込められている。