北海道の起業家ピッチコンテストで明善・中谷太一氏が大賞、しゃけを・椙田圭輔氏が特別賞

経済総合

 年商1億円を超える企業を経営する、起業家の世界的ネットワークであるEO(アントレプレナーズ・オーガニゼーション=起業家機構)の北海道組織となる「EO Hokkaido」が主催の「EO Hokkaidoインキュベーションピッチコンテスト」が2023年5月10日、札幌市東区の「EZO HUB SAPPORO」(サツドラホールディングス本社ビル2階)で行われた。大賞には、事業承継などの中小企業コンサルティング事業を展開する明善(札幌市中央区)の中谷太一代表取締役が選出された。(写真は、「EO Hokkaidoインキュベーションピッチコンテスト」で大賞を受賞した明善・中谷太一氏=右。左はサツドラHD・富山浩樹社長)

「EO Hokkaidoインキュベーションピッチコンテスト」は、昨年7月に設立されたEO Hokkaidoが主催するアクセラレーションプログラムの一環。年商1億円に満たない企業を経営する起業家を対象に、昨年12月から始まった、全6回のプログラムの最終回となるもので、第1期生13人が、5分間のピッチで事業を紹介した。
 コンテストには、EO Hokkaidoの会員のほか、一般を含め約60人が参加、事業の成長性や発言者のパッションなどを評価。5年後に最も事業が成長していると思う起業家を大賞に、最もパッションがあると感じた起業家を特別賞に選出した。

 大賞に選ばれたのは、明善。札幌・あいの里出身の中谷氏が三菱商事を退職して、2021年3月に設立したのが同社。「事業承継で次の100年をデザインする」を、ミッションとし、事業承継によって地域の中小企業を残して成長させ、地域経済の持続的発展と雇用の維持・拡大を図ることを目標にしている。中谷氏は、「北海道の中小企業の後継者不在は71%におよび、経営者の年齢も年々上がっている。このままなら、中小企業が廃業して地域経済、雇用の維持ができず、街がなくなってしまうと危惧している。事業承継によって中小企業を存続させ、伸ばすことで地域を残す仕事にコミットしたい」と話し、今期で年商1億円を達成、正式にEOメンバーに入り、近いうちに北海道のGDPの1%(約2000億円)を目指したいとした。

(写真は、特別賞に選ばれた合同会社しゃけを椙田圭輔代表社員=右)

 特別賞には、合同会社しゃけを(標津郡標津町)の椙田圭輔代表社員が選ばれた。椙田氏は昨年、40歳を過ぎて故郷にUターン、道東の産物を使った商品開発や開発支援、観光事業を進めている。4月27日には、サケとカジカを使った「THE北海道だし」の発売を開始、北海道の出汁文化を世界発信する取り組みも始めた。椙田氏は、「今期1億円を実現して10年後には100億円を目指し、根釧地域初の上場を目指したい」と語った。

 表彰式終了後に、来期のEO Hokkaido会長に就く予定のサツドラHDの富山浩樹社長は、「昨年EO Hokkaidoが立ち上がり、会員50人を目標にしたが、現在49人まで会員が集まった。起業家が成長していくためには、同じような悩みを抱えて解決してきた人たちのコミュニティがあることが重要。地域の起業家たちがEOのコミュニティで成長し、北海道、世界を変えていく人がたくさん生まれてくることを期待したい」と話していた。
(写真は、「EO Hokkaidoインキュベーションピッチコンテスト」の登壇者を含めた参加メンバー)

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