給与計算アウトソーシング(外注)の専門代行会社で札幌証券取引所アンビシャス市場に上場しているエコミック(本社・札幌市)は、今夏に中国青島に現地法人を設立する。これまでも青島で年末調整の計算時期に合わせて業務の一部を行ってきたが、軌道に乗ってきたことから現地法人を設立し現地進出している日系企業から給与計算業務の受注も進めていく。(写真は、昨年12月に青島の大学でインターンシップを利用して行われた年末調整計算)
エコミックは、数年前から年末調整業務の一部を青島で行ってきた。昨年12月は現地の人材学校の紹介で地元大学のインターンシップ制度を利用、大学キャンパス内で講義の一環として日本語学科の学生90人が年末調整業務を担った。
一昨年は現地処理できたのは1万件だったが、昨年は約7万件に増え、インターンシップを利用した業務範囲が拡大できると判断、現地法人を設立して対応することにした。
現地法人は8人体制とし、エコミックから責任者1人を常駐させ残り7人は現地で雇用する。現地法人がインターンシップの調整や大学生への研修など受け入れ体制を整える役割を担うほか、現地進出している日系企業の給与計算代行の受注活動を進める。
エコミックが昨年代行した年末調整の件数は22万件。札幌280人、青島90人で対応したが、今後は青島での比率を高める。昨年から生命保険の控除区分けが変更になったため、年末調整は煩雑になっているという。このため自社で年末調整を行っている企業の間ではアウトソーシングのニーズが高まっている。
現地法人の売上高を3年間で2億円まで高める考え。
エコミックは、今期にシステム投資を行ったため第3四半期決算では900万円の赤字だったが、年末調整の売上げが加算される2013年3月期決算では1400万円の純利益を確保できる見通し。