給与計算を主とするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務を行っているエコミック(本社・札幌市中央区)は、4月30日にソフトウェア開発のビズライト・テクノロジー(同・東京都千代田区、以下ビズライト社)の発行済み株式の約90%を取得、子会社化した。同社にとって、初の本格的なM&A(企業の買収・合併)となる。ソフトウェア開発を一部内製化することにより顧客への迅速な対応と新サービスの開発を加速する。熊谷浩二社長(51)にビズライト社の子会社化の狙いなどについて聞いた。(写真は、エコミック・熊谷浩二社長)

 ーービズライト社の田中博見社長(59)とは、以前から面識があったと。

 熊谷 旭川出身の田中社長は、札幌証券取引所アンビシャス市場で2004年に第2号上場したアルファトレンド(当時)の社長を務めていたため、その頃から面識がありました。その後、田中社長はスピンアウトして2006年にビズライト社を創業しています。エコミックは、主力商品に育ちつつある「簡単年調」(顧客の従業員がスマートフォンで証明書を撮影、送信、確認するだけで年末調整ができるクラウドサービス)のシステム開発をビズライト社に依頼した経緯があります。今後、「簡単年調」をグレードアップしたり改変したりしていくためには、意思疎通がスムーズにできるITサービス会社をグループ化することが必要と判断して、ビズライト社の株式の取得を決めました。「簡単年調」は、前々年が50万人、前年は61万人が利用しており、今年は100万人の利用を目標にしています。

 ーー発行済株式の9割を取得しました。

 熊谷 田中社長が保有する株式を全株取得、エコミックが90・6%を所有しました。ビズライト社は一時期、東京プロマーケットに上場していたため約10%の外部株主がいますが、それは今回、取得の対象にしませんでした。子会社化してもエコミック以外の事業も継続拡大して、当社の連結業績向上に貢献してもらいたい。

 ーービズライト社の業績は。

 熊谷 ビズライト社は、新規ビジネスとして埼玉高速鉄道(地下鉄南北線直通)の車輌内に、乗客を感知するとそれにマッチした世代の広告を打てるようなデジタルサイネージの権利とシステムを所有していましたが、コロナ禍で採算が合わず売却しています。その整理で2021年6月期は、売上高約2億3000万円、純損失は約6800万円でしたが、システムの受注開発は順調でこちらは黒字になっており、損失は一時的なもの。子会社化した後も田中社長には続投してもらい、引き続き社員15人の指揮を執ってもらう。ビズライトの強みは、アクセスが集中しても繋がりにくくならない技術にあります。どんなに高負荷がかかっても、アクセスを止めない技術には一日の長があるようです。

 ーービズライト社の子会社化によってエコミックはどんな恩恵を受けますか。

 熊谷 エコミックは基本的にアウトソーサーです。システム要員を抱えているものの、システム開発を積極的に進めていく立場ではなかった。HRテック(人事とテクノロジーの造語で人的資源の調査分析、管理を高度化しビジネスのパフォーマンスを高めるテクノロジー)としてエコミックは「EC-CLUB」という給与計算のweb明細システムを提供していますが、そういったシステムの開発は外部のシステム会社に依頼していました。今後は、こうしたシステム開発をビズライト社で行うとともに、顧客企業の従業員と繋がるプラットフォームとして「EC-CLUB」を位置付けていこうと考えています。例えば、プラットフォーム化することによってBtoBtoC(BtoCビジネスを行う企業を支援、手助けする企業)ビジネスにもリーチしたいと考えています。

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