北海道の若手経営者を官民で育てる「北海道経営未来塾」(塾長・長内順一未来経営研究所社長)は2月8日、札幌市中央区の北洋大通センター4階セミナーホールで、経営実務講座を開催した。この講座は北洋銀行(本店・札幌市中央区)が主催したもので、塾生ら約30人が出席した。(写真は、北海道経営未来塾で講演するファイバーゲートの猪又將哲社長)

 講師として登壇した東京証券取引所プライム市場、札幌証券取引所本則市場上場、ファイバ―ゲート(本社・札幌市中央区)の猪又將哲(まさのり)社長が、『起業~上場で得た経験則とここだけの話』をテーマに講演。猪又氏は、札証に重複上場していることから、札証の改革私案を披露、「北海道は一次産業の宝庫であることから、商品先物を札証で取り組むのが良いのではないか」と提案した。その上で、「一次産業が更に発展する地域は、北海道以外にはないと思う。商品先物をデジタル取引にすれば、一次産業で働く人たちの収入も飛躍的に上がり、一次産業の価値は飛躍的に高まるのではないか。ひょっとしたら福岡証取が取り組むかもしれないが、札証にこそ一番のポテンシャルがある」と話した。

 また、北海道で1兆円ファンドをつくるアイデアも紹介。「道内で1000億円を集めてレバレッジを利かせれば(借り入れをすることで自己資金のリターンを高めること)、1兆円ファンドができるだろう。その資金を使って送電網を整備したり、蓄電池技術の知見を高めて、全国唯一の電気代格安エリアにすれば良い。電力を大量に使うのは、データセンターや製造工場。北海道を本社とする別会社を条件に誘致すれば、法人道・市民税なども入ってくる。そういう大胆な大きな構想をもって進めば、北海道の魅力は、一段と高まっていくだろう」と語った。

 講座では、大和証券(本社・東京都千代田区)の谷栄一郎金融市場調査部部長チーフ・ストラテジストも『当面の経済・金利情勢の見方』と題して講演。谷氏は「日本がインフレになる可能性は低い。円安局面は90円台の円高局面になるだろう。米国の物価が下落することは考えづらく、かなりの円高になるかもしれない」と話していた。


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