高級食パン専門店が年内に相次いで閉店する。「め組の庭」(恵庭市)と「札幌パン琴似工房」(札幌市西区)の2店舗で、いずれも営業期間は1年から1年半。高級パン市場の縮小が続いている。(写真は、12月25日に閉店する「め組の庭」)
「め組の庭」(恵庭市泉町58)は、ベーカリープロデューサー岸本拓也氏の支援を受けて2021年4月にオープン。建設業に欠かせない高所作業を行う鳶(とび)の専門会社が異業種進出の一貫として参入したもので、2022年4月には、「め組の庭苫小牧店」(同市緑町2丁目8-5、ツチダビル1階)を出店するなど好調に推移していた。しかし、「苫小牧店」を11月20日に閉店、恵庭市の店舗に集中する選択をしたが、同店も12月25日(日)に閉店することになった。
「札幌パン琴似工房」(札幌市西区琴似2条4丁目1-3)は、ゴム製品メーカーのミツウマ(本社・小樽市)が、高級食パン専門店を展開するJIP(同・石川県金沢市)とFC(フランチャイズ)契約を結んで参入した高級食パン専門店の第1号で、2021年11月にオープンした。
ミツウマはその後、2022年4月に「札幌パン北24条工房」(同市北区北24条西5丁目H24ビル1階)、同年6月に「札幌パン手稲星置工房」(同市手稲区星置1条3丁目3-10、長作ビル1階)、同年7月に「札幌パン美しが丘工房」(札幌市清田区美しが丘4条5丁目1-62)を相次いで出店した。今回、1号店の「札幌パン琴似工房」を12月27日(火)に閉店することを決めた。
高級食パンの市場は、全国的に一時のブームから下火になりつつある。北海道でも閉店が続いており、今回の2店舗を含めると2021年以降、10店舗以上が閉店した。食品値上げが相次ぎ、節約志向、低価格志向が強まる中、高級食パン市場は寒風に晒されている。