大発会を迎えた4日の札幌証券取引所の40種平均株価の終値は、584円92銭で昨年末の終値に比べて12円22銭高になった。東証の4日の日経平均株価は昨年末比292円93銭高(2・82%)で、平均株価の伸びではほぼ同じ伸びになった。東証の伸びに引きずられるいわば東証余波で札証の期待も大きいが、札証にとって最も大事なことは新規上場を増やし、北海道経済のイコールパートナーになること。今年は複数社の新規上場が必須の課題になるだろう。(写真は、札証大発会での三本締め)
4日午前8時50分から札証で行われた大発会には、晴れ着姿の証券会社社員や上場会社トップに加え吉田英都北海道財務局長など約40人が集まった。
昨年は一昨年に比べて出来高で2倍、売買代金で8倍、平均株価で2割高と近年にない活況で終えた。理事長の小池善明氏は、「札証はリーマンショックや震災前の水準に戻った状態で今年のスタートを切る。自助努力でジャンプの年にして北海道経済の中で重要な役割を果たして行けるようにしたい」と語ったうえで、「北海道は明治維新や第二次大戦後に日本経済復活の起爆剤になった土地だ。三度目の起爆剤になれるように北海道のポテンシャルを全国に発信して行こう」と呼びかけた。
現在の株高は実体経済を反映しているとは言い難く、安倍新政権への期待先行相場の面が強い。デフレや円高など6重苦に遭遇している日本のリーディングカンパニーの経営環境と存立基盤がそう簡単に盤石になるはずもない。フローの好況はストックの強さを示すものではないし、昨年11月以降の株高は、サヤ取りによるものが中心で政策実行が進まなければいずれ中折れの局面を迎えることになる。
とりわけ北海道は、政策による景気浮揚効果の伝播力が最も弱くしかも遅い。
札証に求められるのは、東証の株高を横目に見ながら地に足の着いた改革を地道に進めていくこと。昨年6月から始めた上場基準の緩和やステップアップ市場に徹するという小池札証の改革は、北海道経済の実情に沿ったものと言える。株式市場の活況というサラウンド環境の中で、アンビシャス市場を含めた札証が新規上場をどれだけ増えせるのか。今年は小池札証が本当の果実を得られるかどうかの大事な一年になる。