キリンビール北海道千歳工場(千歳市上長都949-1)は、2022年9月5日から稼働を始めた太陽光発電設備のお披露目会を同月8日に行った。今冬の大雪被害を受け、損傷した太陽光パネル等の復旧工事が必要になったため、今年5月の稼働予定から延期していた。太陽光発電電力の使用比率は、2019年比で同工場電力使用量全体の12・7%になる。(写真は、キリンビール北海道千歳工場の太陽光発電施設のお披露目会。写真は左からJESCOの古手川太一社長、北海道千歳工場の北村茂樹工場長、MCKBエネルギーサービスの鈴木優作社長)

 キリンビール北海道千歳工場が導入したのは、PPA(電力購入契約)モデルによる太陽光発電システム。三菱商事エナジーソリューションズ(本社・東京都千代田区)の子会社、MCKBエネルギーサービス(同・同)がPPA事業者となって、同工場の敷地内に太陽光発電設備を設置、そこで発生する電力を同工場が購入して使用する。

 太陽光発電設備の設置を行ったのは、JESCO(本社・東京都新宿区)。昨年10月から同工場南側の敷地約2700坪(約8909㎡)を利用して建設を開始。当初は同年9月末完成、今年5月稼働を目指していたが、今冬は千歳でも平年の3倍を超える積雪となり、太陽光パネルが損傷、復旧工事に日数を要し、稼働が4ヵ月遅れた。

 導入した設備のパネル枚数は1674枚、発電容量は612・375kW、発電電力量は年間748MWh(一般家庭200世帯分の電力使用量に相当)。なだらかな傾斜が一部で残っている地形のため、一部湾曲した状態で、南に向かって約20度傾けて設置された。環境省の補助金を含めた総事業費は非公表。20年間の利用を予定している。キリンビールは既に仙台工場(宮城県仙台市)、名古屋工場(愛知県清須市)、滋賀工場(滋賀県犬上郡多賀町)、神戸工場(兵庫県神戸市北区)にPPAモデルによる太陽光発電設備を導入しており、北海道千歳工場は5工場目となる。

 8日に行われたお披露目会では、北海道千歳工場の北村茂樹工場長、MCKBエネルギーサービスの鈴木優作社長、JESCOの古手川太一社長が、太陽光発電施設の前でテープカットを行った。北村工場長は、「ビールの冷却や設備の動力源として使っている電気の一部を再生可能エネルギーに変えることによって、工場から排出する炭酸ガスの削減に寄与できる」と話した。施設の稼働により、工場全体の8%に相当する年間491tの炭酸ガス排出量が削減できる。なお、この日の発電容量は、午前11時半現在で612・2kWとほぼ能力通りだった。
(写真は、キリンビール北海道千歳工場で稼働を始めた太陽光発電設備のドローン画像=同工場提供)


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