民事再生手続き中のスガイディノス(本社・札幌市中央区)がGENDA(同・東京都大田区)のグループ会社であるGENDA GiGO Entertainment(ジェンダ・ギーゴ・エンターテインメント、同・同)と7月25日に事業譲渡契約を締結したが、譲渡日の9月30日に向け、承継店舗の選別が進んでいる。(写真は、佐々木興業が運営を承継する「サツゲキ」)
GENDA GiGO Entertainmentは、スガイディノスから9月30日付でゲームセンター事業、ボウリング事業を承継し、シネマ事業に関しては全国で14シネコンを運営する老舗映画興行会社、佐々木興業(本社・東京都豊島区)と共同で承継する。
GENDA GiGO Entertainmentがシネマ事業に関して佐々木興業を受け皿にしたのは、映画配給会社との関係を考慮してのこと。佐々木興業の佐々木伸一会長は現在、映画館の同業者団体、全国興行生活衛生同業組合連合会(略称・全興連)の会長。GENDA GiGO Entertainmentの親会社、GENDAの片岡尚会長はイオンシネマの運営会社、イオンエンターテイメント社長在任中に全興連役員を務めており、佐々木氏とは交流があった。シネマ事業の承継は、ゲームセンター事業やボウリング事業の承継とは違い、「特有の難しさがある」(エンタメ関係者)。スガイディノスと配給会社との関係は民事再生以降、微妙な関係になっていたとされ、関係修復には佐々木氏の存在が不可欠だったもようだ。
ともあれ、3事業の承継が決まったが、今後は9月30日の事業譲渡に向け、スガイディノス、GENDA GiGO Entertainment、佐々木興業の3社による承継店舗の選別に入ることになる。スガイディノスは現在、道内に17拠点を展開しており、内訳はシネマ4ヵ所、ゲーム14ヵ所、ボウリング6ヵ所、ダーツ、ビリヤード各3ヵ所、卓球2ヵ所、ゴルフ1ヵ所。この中で、承継が決まっているのはシネマの「サツゲキ」(札幌市中央区南2条西5丁目、狸小路5丁目)。残る16拠点のうち数拠点は承継されず閉館になる見通し。GENDA GiGO Entertainmenはスガイディノス承継後、新たなアミューズメント施設の展開も行い、北海道での事業を軌道に乗せる。