証券会員制法人札幌証券取引所は7月22日、同日付で本則市場に上場したフルテック(本社・札幌市中央区)に、有価証券上場通知書を交付した。同社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、札証へは重複上場。6月17日の和弘食品(同・小樽市)に続く、本則市場への重複上場になる。(写真は、有価証券上場通知書交付式。左から札証・小池善明理事長、フルテック・古野重幸社長)

 有価証券上場通知書交付式は、札証2階会議室で行われ、証券・銀行関係者に加えて北海道の中島俊明経済部長、札幌商工会議所の加藤欽也副会頭など約20人が参加。札証の小池善明理事長は、「フルテックは、札幌に生まれ育った会社として北海道での知名度を高め、広く株主に支持される会社になろうと札証上場を決意されたと聞いている。上場によって優秀な人材の確保といった点で当取引所が貢献できればと考えている」と話した。
 フルテックの古野重幸社長は、「当社は、1963年11月に札幌で創業して来年60周年を迎える。創業は、東京にある競合他社が札幌支店を開設した後だったが、遅れを挽回できたのは寒冷地に強い自動ドアを開発して売り込んできたから。北海道、札幌でスタートし、寒さに強い自動ドアを武器に成長してきた。札幌であらためて上場できたことを意義深く感じている。上場を機に人材獲得、育成にも力を入れ、成長戦略を練り直して大きな会社に発展させていきたい」と述べた。

 その後、古野社長や古野元昭副社長ら5人がそれぞれ「札証の鐘」を鳴らし、手締めを行って上場を祝った。交付式終了後のぶら下がり取材で、古野社長は「原材料費の高騰が経営に影響を与えている。私が当社に入って32年間の中で最も厳しい経営環境だ。競合他社の関係もあって、価格転嫁は難しい。コスト削減を進めていく」と話した。
(写真は、関係者による手締め) 


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