北洋銀行が、来年3月に旧札幌銀行本店の札幌営業部を廃止する。札幌営業部は北洋銀と旧札幌銀が合併後に、中小企業や個人向けなどリテール部門の拠点として発足した支店。北洋銀は、同営業部が入るビルを区分所有しており、大半の所有権を持つ平和不動産に売却を検討する模様。(写真は、北洋銀の札幌営業部のある新大通ビル)
札幌営業部は、北洋銀と合併前に札幌銀行が本店として利用していた建物。現在は、1~2階で営業している。
同ビルは、1979年に竣工しており、今年で築33年。新大通ビルの名称でマンションデベロッパーのタカノと旧札銀の共同所有だった。
その後、タカノの持ち分は米モルガンスタンレー系ファンドに売却され、2008年に平和不動産がその持ち分を取得している。
北洋銀は、札幌北洋ホールディングスの解消や支店の廃止など合理化による経費削減を積極的に進めており、旧札銀の象徴だった札幌営業部の廃止と土地建物の売却で新生・北洋銀の基盤固めを強固にする。
北洋銀の持ち分の売却先は、共有者の平和不動産になる可能性が高い。
平和不動産は、隣接する道銀本店ビルの土地建物も所有している。道銀本店ビルは建築家、田上義也氏の手によるビルで竣工は64年の8月。平和不動産は、02年に取得している。
札幌駅前通と大通が交差する周辺は、北大通側で新ビル建設が進み、南大通は老朽化したビルが目立つ、いわば“北新南古”と言えるアンバランスな景観。北洋銀が新大通ビルの持ち分を平和不動産に売却すれば、道銀本店ビルと新大通ビルの一体再開発が進めやすくなる。