ーー具体的には。
熊谷 オープンのマーケットに出したくない商品でも、クローズのマーケットなら在庫処分として売りたいというニーズがあります。そうした時に、顧客企業の従業員がアクセスして買えるようなマーケットの提供など、BPOとは少し違うサービスを構想しています。それには金融も絡められるのではないかと考えています。従業員の与信を取ることはできるので、様々な金融サービスを展開していくことも可能になります。ビズライト社の子会社化は、BPO以外の領域にエコミックが進出していく契機になると位置付けています。
ーーBPOを取り巻く事業環境は。
熊谷 顧客から見るとHRテックで業務を削減するか、アウトソーシングで業務を削減するかの競合状態があるため、アウトソーサーにとって経営環境は厳しい。しかし、エコミックは、HRテック企業と競争できる体質を持っています。一方で、SmartHR(本社・東京都港区)さんなど、他のHRテック企業とも協業して足らざるは補う展開で対応しています。現在、給与計算の受託実績は約600社で、約13万人の給与計算処理を行っています。私たちの仕事は、積み上げ型ビジネスなので増収は成長には不可欠ですが、ポイントは増収が増益に繋げられるかという点。過去には、増収しても利益が下がり続けた時期がありましたが、オペレーションの工夫などで増収を増益に結び付けられる体質を身に着けてきました。
ーー新ビジネスも始まっているそうですね。
熊谷 昨年度から、ふるさと納税に関わる行政の代行サービスを始めています。個人がふるさと納税をしても、5自治体以内なら確定申告をしなくても済みますが、こうしたふるさと納税をした個人のデータを作成する業務を全国の4自治体から受託しています。今後もこの事業は増えていきそうです。当社の事業ドメインからはやや外れる事業ですが、自治体との関係を深めていくための業務として強化していきたい。
ーーありがとうございました。