横浜家系ラーメンの紳士協定である距離制限を緩和した家系ラーメン店が、札幌市厚別区に誕生する。「厚別魂心家」がそれ。江別市にある「黒田家」との距離は約7㎞。紳士協定では明確な距離制限はないものの6~7㎞が一つの目安になっているもよう。今回は、「魂心家」が「黒田家」サイドに打診、理解を得て出店が決まったという。(写真は、「厚別魂心家」に転換する「アジノトケイダイ」)
「厚別魂心家」は、時計台観光(本社・札幌市中央区)が展開していた「アジノトケイダイ」(厚別区厚別東5条3丁目24-55、2021年6月に「味の時計台厚別店」から転換)を衣替えして、5月27日(金)にオープンさせる家系ラーメン店。時計台観光は、2020年秋に創業者から全国で「魂心家」を展開するトイダック(本社・神奈川県大和市)の鴨田誓一代表取締役が新オーナーに交代、事業を承継した。
「味の時計台」として存続させる店舗と「魂心家」に転換する店舗に色分けして運営を開始。現在は、「味の時計台」3店舗、「魂心家」4店舗とサブブランドの「アジノトケイダイ」、「アジトケ」を各1店舗展開している(「味の時計台」は道内のフランチャイズ18店舗も展開)。
今回、「アジノトケイダイ」から「厚別魂心家」への転換にあたり、ネックになったのは家系ラーメン店同士の店舗間距離。家系ラーメンを全国で展開しているトイダックとギフトホールディングス(HD、本社・東京都町田市)の間では、近くには競合店を出さないという暗黙の了解事項がある。「厚別魂心家」は、既存の「黒田家」と同じ国道12号線沿いに出店することになり、距離も比較的近い。トイダックの鴨田氏はギフトHDに了解を取り付け、距離制限を緩和、出店にこぎつけた。「黒田屋」は、4WD専門の中古車販売店を経営するビッグツリー(本社・旭川市)が展開している家系ラーメンで、ギフトHDの支援を受けて2021年1月にオープンした。時計台観光によると、札幌市内の「魂心家」出店は今回で一段落させるとしている。
「厚別魂心家」は、オープン日の5月27日から29日(日)までの3日間、醤油、塩、味噌のラーメンを1杯500円(通常は730円)で提供、各日先着30人に魂心家のエコバッグもプレゼントする。3日間の営業時間は11時から21時。