カネカが苫東に100億円新工場、先端血液浄化器など医療機器生産

経済総合

 総合化学メーカーのカネカ(東京本社・東京都港区、大阪本社・大阪市北区)は24日、苫小牧東部産業地域(苫東)に医療機器の新工場を建設すると発表した。投資額は約100億円、2024年5月の稼働を予定している。製造プロセスの自動化、高度化による生産性の高いスマート工場とし、旺盛な世界需要に対応、グローバル展開を図っていく。(写真は、北海道新工場の完成予想図)

 新工場で生産を予定しているのは、血中の悪玉コレステロールを選択的に除去する「リポソーバー」、重症化した閉塞性動脈硬化症の新たな治療法である吸着式血液浄化器「レオカーナ」など。「リポソーバー」は、欧米を中心に堅調な需要の伸長が見込まれ、「レオカーナ」は、潜在患者数が多い米国、中国などで需要の急拡大が見込まれている。工場新設で、供給基盤を確保、事業拡大を図る。

 同社は、インターベンション(カテーテル治療法)や血液浄化器と低分子医薬品、バイオ医薬品などをヘルスケア・ソリューション・ユニットとして成長ドライバーと位置付けており、北海道新工場の稼働を含めて事業展開を拡大、2030年に同ユニットの売上高3000億円を目指す(同部門の2022年3月期の売上高予想は610億円、同期の全体売上高は6600億円を予想)。

 新工場には、カネカの太陽電池を設置、「ゼロエネルギーファクトリー」を目指し、ヘルスケア・ソリューション・ユニット以外の事業拠点としても活用していく。カネカは、2017年に北海道の事業を統括するカネカ北海道(本社・札幌市中央区)を設立、北海道の新しい波、第2のニューフロンティアを経営戦略化して取り組むプロジェクト「Hokkaido Initiative」をスタートさせた。2020年には別海ウェルネスファーム(野付郡別海町)を設立して循環型有機酪農に取り組むなど、地域性を生かした事業を展開している。

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