北海道発祥の「北興化学」が滝川市に新工場、国道12号線沿いに建設進む

経済総合

 農薬事業やファインケミカル事業を展開している北興化学工業(本社・東京都千代田区)が、滝川市北滝の川1470番地の同社北海道工場内で新工場の建設を進めている。既にひときわ高い新工場の鉄骨が組み上がっており、近くを走る国道12号線からも一望できる。北海道とゆかりの深い同社の新たな拠点工場となる。(写真は、建設が進んでいる北興化学の新工場)

 北興化学は、1950年2月に本社を東京都千代田区において設立されたが、工場は常呂郡留辺蘂町(現北見市)に設置され、その工場を拠点に農薬生産を開始したのが始まり。野村財閥のイトムカ鉱山の流れを汲む同社は、北海道が発祥の地でもあった。また、農薬事業に取り組む契機になったのは、当時の北海道大学理学部教授の杉野目晴貞氏(後に北大総長)にダイコンバエの幼虫防除農薬の製造を依頼されたことがきっかけ。「北興」は北海道で興ったことに由来しているという。
 設立された年の12月には本社を札幌市に移転したこともあったが、1953年12月に再び東京都千代田区に本社を移している。北海道工場は、留辺蘂の工場を移転して1970年1月から操業を開始。1985年9月には、夕張郡長沼町に北海道試験農場を開設している。

 今回、北海道工場の敷地内に新設する工場は、除草粒剤の製造工場。同社の農薬事業は水稲市場に強みがあり、新工場では高拡散性粒剤などの農薬製剤を生産、水稲農家の作業性改善を図るなど生産コスト低減をサポートしていく。新工場は、現工場の国道12号線寄りの敷地を使って建設している。建築面積は約898坪(約2965㎡)、鉄骨造4階建て、延べ床面積は約1564坪(約5164㎡)。造粒ライン、包装ライン、製品倉庫など付帯設備も備える。投資額は約32億円、自己資金を充当する。

 新工場の設計、監理は大成建設(本社・東京都新宿区)一級建築士事務所、施工は大成建設札幌支店(札幌市中央区)。2021年5月から建設が始まっており、竣工は2022年8月末、生産開始は同年12月から。国道12号線沿いに建設が進む新工場は、遠くからでも視認できる高さが特徴。新工場の稼働によって、北海道発祥の北興化学の認知度が高まりそうだ。

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