「ファミリーレストラン」より「焼肉店」が時代のニーズに合っているのか。旭川で閉店した「ヴィクトリアステーション」の店舗跡に、「焼肉ホルモンおはこ」が居抜き出店する。夫婦子ども2人という世帯はいまや珍しくなり、単身、2人世帯が増えている。こうした世帯構成の変化は、「焼肉店」の出店を後押ししているようだ。(写真は、11月下旬にオープン予定の「焼肉ホルモンおはこ忠和店」)
国道12号線と道道98号線(旭川多度志線)が交わる付近には、「ヴィクトリアステーション旭川忠和店」(旭川市忠和5条8丁目12-36)があった。「コープさっぽろ忠和店」と同じ敷地内にあって、交差点の顔とも言えるステーキ、ハンバーグなどグリルメニューを中心としたファミリーレストランだった。「ヴィクトリアステーション」は、北海道発祥のファミリーレストランとして知られているが、店舗老朽化や採算悪化で、3年ほど前から全道で閉店が続いており、「旭川忠和店」も2021年1月に閉店した。
それから8ヵ月、新たに「焼肉ホルモンおはこ忠和店」として生まれ変わることになった。同店を出店するのはトーテム旭川(本社・旭川市)。同社は不動産管理や駐車場運営を行っており、飲食業にも参入、2022年3月には「コメダ珈琲店」のFC(フランチャイズ)店舗として「旭川買物公園通り店」をオープンさせることになっている。それに先んじて今年11月下旬、「焼肉ホルモンおはこ忠和店」を出店、現在は店舗のリニューアル工事を行っている。
「ファミレス」から「焼肉店」へ、交差点の顔が変わり、行き交う人たちの記憶が書き換えられていく。目を凝らしてみると、身近な場所に「焼肉店」が増えていることが分かる。店舗の有為転変は、世帯構成の変化を敏感に反映していると言えそうだ。