コロナ禍で夜の人出が激減する中、札幌ススキノではカプセルホテルの閉館が続いている。カプセルホテルは、大浴場やサウナを併設した簡易宿所で、繁華街には必須の宿泊場所だった。ススキノ地区飲食店の営業時間短縮が続いており、カプセルホテルへの逆風が続く。(写真は、閉館した「カプセル・イン札幌」)

 1月24日で閉館したのは、「カプセル・イン札幌」(札幌市中央区南3条西3丁目、都通り)。札幌で一番の歴史を持つカプセルホテルで2014年に総合人材サービスのアスクゲート(本社・札幌市白石区)が取得、子会社のアスクゲートダイナー(同・旭川市)が運営していた。アスクゲートの斉藤三寛代表取締役の「社長ブログ」によると、近年は赤字が続き運営が厳しかったとしており、コロナ禍による稼働率低下により閉館を決めたようだ。なお、建物は売却の方向であることも綴っている。

 1月31日で閉館したのは、「スパホテル ソーレすすきの」(南4条西6丁目4)。国道36号線沿いの青山ビルに2013年8月にオープンしたが、7年5ヵ月で営業を終えた。運営企業は、ピクニックストーリー(本社・札幌市中央区)。同社は、札幌市内に「ホテルバランザック札幌S6」(旧ホテルWBF札幌すすきの)、「ホテルリーネルすすきの」のほか、千歳市内で「トイロンズホテル千歳」(旧ホテルリッチモンド)を展開している。閉館は、建物賃借の契約期間満了に伴うものとしている。

 ルートインジャパン(東京本部・東京都品川区)が運営する「ビズコートキャビンすすきの」(南5条5丁目13ー1)も昨年3月から休業中で、同一建物の上層階にある「ルートイン札幌中央」に営業を集約している。ススキノ地区の夜を支えてきたカプセルホテルもコロナ禍の長期化で、苦境にあえいでいる。



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