旭川工業高等専門学校(旭川高専)の主催、北海道中小企業家同友会あさひかわ支部、あさひかわ創造都市推進協議会、旭川高専産業技術振興会の共催による「デザイン経営シンポジウム」が2日、旭川市内の旭川アートホテルで開催された。コロナ対策を取って600人収容の大宴会場に約100人が集まったほか、オンライン配信も行われた。(写真は、講演するキャリアバンク佐藤良雄社長)

 このシンポジウムは、主催、共催組織などが主体になって立ち上げた「北海道イノベーティブ・デザイン経営研究協議会(HIDERA)」の創立記念事業として開催された。基調講演は、キャリアバンク(本社・札幌市中央区)の佐藤良雄社長が『デザイン経営と人材育成』をテーマに行った。

 佐藤氏は、「人材育成で一番重要なことは、組織の情報共有とトップの経営者が行う経営情報の発信だ。人が育つためにはリスクと責任、問題を共有することが大切。人材育成はトップの情報の発信力にかかっていると思う。どれだけトップが自分の会社や組織の情報を社員、職員に発信して共有できるか。良いことも悪いことも共有することが人材育成の肝。通常の業務を通常にやっていても人が育つことはないと思う」と述べた。

 その上で、「人材を一番教育してくれるのはトップではなく顧客。良い顧客が良い社員、職員をつくる。トップの仕事は良い顧客を見つけてくること。より良い顧客と取引ができることによって互いの満足度も高くなる。そうであっても人材教育はやってもやってもきりがない。そういう努力をし続けることが人材教育の本質」と話した。

 その後、北海道大学の濱田康行名誉教授がモデレーターを務め、佐藤社長や東川町の松岡市郎町長、旭川高専産業技術振興会の佐々木通彦会長、旭川情報産業事業協同組合の本田和行理事長、旭川高専の髙橋薫校長が参加してパネルディスカッションも行われた。


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