キャリアバンク高等職業能力開発校は、パソコン資格としては日本最大級のMOS試験を実施しているオデッセイコミュニケーションズ(東京)と提携し、MOS試験による資格取得が行える体制を整えた。職業訓練校がMOS資格試験の試験会場になるのは珍しく、同開発校では離職者、求職者向けとともにキャリアバンクを中核とするSATOグループの社員などを対象にMOS試験の実施及び同試験向けのパソコン講座を開設する。
MOS試験は、ワードやエクセルなどのオフィスソフトを作っているマイクロソフトが世界的に主催しているが、日本ではオデッセイコミュニケーションズが一括して実施している。
エクセル男子、パワポ部長、ワード女子などのCMで知られ、数多くあるパソコン資格の中で知名度はナンバーワン。今年5月までで累計で全国300万人の受験者があった。
全世界統一基準で行われており、試験の種類はバージョンによって変わるがワープロ文書作成ソフト、表計算、ブレゼンテーション、データベースなど。
一般のパソコンスクールでは既にMOS試験は取り入れられているが、職業訓練校では、中央職業能力開発協会による資格試験が中心。キャリアバンク高等職業能力開発校は、MOS試験の知名度が高いことや実際の企業の現場ではMOS試験による資格取得者の方がより実務に近い働きが可能ということで、オデッセイコミュニケーションズと提携、道内の職業訓練校としては珍しいMOS試験を行える体制を整えた。
キャリアバンク高等職業能力開発校は、公共職業訓練として行政から受託している事業と会員となっているSATOグループ7社の従業員に対する職業訓練、さらにキャリアカウンセラー養成講座など公開講座事業を行っている。
同開発校では、公共職業訓練のカリキュラムの中にMOS試験に向けた講座や会員であるSATOグループ約700人に向けて講座も開設して、MOS試験受験者を増やしていく考え。
MOS試験の合格者は道内で年間2~3万人ほどいると見られるが、大半は学生。ただ、企業の新規採用者や中高年の能力開発のニーズから学生以外にもMOS試験は広がっており、同開発校では年間で70~80人の受験者があると見ている。また、一般からもMOS試験が受けられるように講座開設も今年度から始めたい考え。
なお受験料は、通常は1万~1万2000円程度必要だが、同開発校では1万円を切る受験料を設定する。