余市郡余市町栄町22ー1の国道5号線沿いにある天然温泉源泉かけ流しの「鶴亀温泉」が、11月21日から営業を再開した。所有・運営している不動産賃貸業のサンリバーはせがわ(札幌市中央区)は、一時休業して売却先を探していたが、方針を転換して運営を継続することにした。(写真は、営業を再開した「鶴亀温泉」)

「鶴亀温泉」は、赤錆色が特徴の食塩泉で別名「熱の湯」とも呼ばれ、よく温まり、湯冷めしにくいのが特徴。1階がレストランや休憩室、2階が温泉浴室となっており露天風呂もあった。旧オーナーから14年前に引き継いだサンリバーはせがわは、設備更新を欠かさず利用客の利便性も向上させてきたため、毎年利益を計上するなど黒字経営を続けてきた。

 しかし、支配人の健康上も問題もあって運営の人材不足が表面化してきたため、今年4月30日で営業を終了、売却先を探すことにしていた。同社の長谷川和義社長は、数社と交渉したが、その過程で「鶴亀温泉」が地元だけでなく小樽、札幌など多方面の常連客に支持されていることを痛感。「私の名前を知らなくても『鶴亀温泉』の名前は皆さん知っている。悩んだ末に売却することをやめて自社で継続していくことにした」と長谷川社長。

 営業再開にあたり、新たに露天風呂に展望台を設けて屋外で日本海を眺められるようにしたほか、配管設備も更新、湯量を従来の倍にするなどした。コロナ禍のためホテルやレストランの営業は当面休止とし、温泉も午後1時から同9時までの変則運営。料金は大人700円。
 長谷川社長は、「コロナ禍で再開後のお客の入りは予想の半分ほどだったが、徐々に増えて始めている。感染対策を徹底した上でコロナに負けないように頑張りたい」と話している。


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