「ステーキ宮」や「いろはにほへと」など北海道で閉店モードの外食大手のコロワイド(本社・横浜市西区)が、TOB(株式公開買い付け)で敵対的買収を始めている大戸屋ホールディングス(HD、同・東京都武蔵野市)。この「大戸屋」も北海道では苦戦している。(写真は、「大戸屋・札幌白石店」)
大戸屋HDの子会社、大戸屋が展開する直営・FC(フランチャイズ)の定食店「大戸屋」は、北海道では札幌市内9店舗のほか旭川市、函館市、苫小牧市に各1店舗、計12店舗を展開している。そのうち「札幌白石店」(白石区南郷通1丁目南8ー10)が7月31日(金)に閉店する。同店は、2016年11月にオープンした4階建て複合施設「白石ガーデンプレイス」の2階にある。移転してきた新・白石区役所と同時期に開業、地下鉄白石駅に直結している利便性が売りだった。
しかし、人通りの多い1階には「サイゼリヤ」が展開しており、2階の奥まった場所で営業している「大戸屋」は不利だった。コロナ下での来店客減少も追い打ちをかけ、オープンから4年弱で閉店を余儀なくされた。
コロワイドグループも北海道では、「ステーキ宮」が撤退するほか、「いろはにほへと」、「カルビ大将」などを含め約30店舗の大量閉店を実行中。コロワイドによる大戸屋HDのTOBは8月25日までの予定で始まっている。大戸屋HDは反対方針を示しており、TOBが完了するかどうかは予断を許さない。ともあれ、北海道では両社ともに厳しい経営環境に置かれており、TOBが成立してもしなくても、茨の道が続くことになりそうだ。