札幌中心部の時間貸し駐車場料金にデフレの兆しが見えてきた。コロナ前までは東京都心並みの料金の駐車場も多かったが、新規では相場を下回るところも出現、既存駐車場の値下げも進みそうだ。(写真は、15日にオープンした時間貸し駐車場「タイムズ大通公園前」)

 札幌中心部で7月15日に新規オープンした時間貸し駐車場「タイムズ大通公園前」(105台収容)。大通西5丁目の農林中金札幌支店跡地で、現所有者の森トラスト(本社・東京都港区)は外資系ホテル建設を白紙にして、時間貸し駐車場にしたものだ。

 注目されていたのが料金体系。コロナ禍で経済縮小が進んでいる折、この場所での料金体系は土地価格の先行きを示す指標となる可能性もある。示されたのは、8時~20時が30分220円、20時~8時が60分110円、24時間990円。
 この料金が高いか安いかは、隣接する「三井のリパーク札幌北1西5第2」(収容台数20台)と比較すれば分かる。ここは0時~24時が30分600円、20時~8時が全日1000円で、違いは一目瞭然だ。この料金はコロナ前の水準。やや高いものの札幌中心部では珍しくない料金だ。

 コロナ前は、「タイムズ」と「三井のリパーク」が企業の遊休地などを利用した駐車場争奪を繰り返してきた。それに伴って料金もインフレ傾向だったが、コロナ下では一変した。「三井のリパーク札幌大通西6第2」(収容台数15台)は、値下げの旗を立て、0~24時を30分200円にしている。駐車場料金は、土地価格と密接に関係しているだけに、時間貸し駐車料金の低下は土地価格のデフレ化を暗示しているようだ。



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