企業や団体の給与計算アウトソーシング専業で札証アンビシャスに上場しているエコミック(札幌市、熊谷浩二社長)は、札幌の労働市場の人手不足を解消するため中国山東省青島市にある自前のアウトソーシング拠点を拡充する。同社は、年末調整時期に一部の計算業務を中国で行っているが、今期の年末調整アウトソーシング件数を30万人に拡大する目標を掲げ、中国での比重を高める。(写真は、熊谷浩二社長)
エコミックは、大手企業の給与計算や年末調整を専門に行うアウトソーシング会社。コストや手間がかかる間接業務をアウトソーシングするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に取り組む企業が増えており、エコミックはこうしたニーズを取り込んで成長を続けている。
とりわけ独立系の給与専業アウトソーシング会社で札証アンビシャス上場の信用力があるため、同業他社からの再アウトソーシング需要も堅調に増えている。
ただ、昨年の年末調整時期には札幌のパート・アルバイト市場が変化、人手を集めるのにコスト高を余儀なくされ、過去最高の売り上げを計上したものの利益面では減益になった。
このため、最需要期の10月以降を睨んで札幌での人手不足を解消し利益確保を図るため中国での計算業務を拡充することにした。
同社は、これまでも中国青島市のソフトブレーン・オフショア社に年末調整とタイムレコーダーから就労時間を集計する2つの業務を外注に回していたが、昨年はソフトブレーン・オフショア社のフロアを賃借し約30人の中国人アルバイトを雇用して臨時の直轄拠点を約2ヵ月間開設した。
今年は、さらに雇用人数を80人まで増やすとともに自前の事務所を設置、エコミックに在籍する中国出身社員を駐在させて本格的な体制を整える。
熊谷浩二社長は、「年末調整の受注人数は昨年24万人分だったが、問い合わせも多く今後もアウトソーシングの動きは大きくなっていくだろう。当社の今期目標は30万人。目標の必達に向けて中国での業務体制を拡充する」としている。