札幌のエンタメ・文化の発信拠点だった旧「ディノス札幌中央ビル」がいよいよ解体される。スガイディノス(本社・札幌市中央区)が展開していた映画、ゲーム、ボウリングなどの一大娯楽ビルが半世紀の幕を閉じる。(写真は、解体工事が始まった旧「ディノス札幌中央ビル」)
札幌市中央区南3条西1丁目の旧「ディノス札幌中央ビル」からエンタメの灯が消えたのは昨年6月。ビルオーナーが建て替えの意向を示し、賃貸期間満了に伴って移転を余儀なくされたためだ。最後まで残っていたテナントも今年1月に退去し、ビルの解体は秒読みを迎えていた。
旧「ディノス札幌中央ビル」は、1968年10月に竣工した地下2階、地上8階建てのビルでスガイディノスの前身、須貝興行が札幌須貝ビルとして建設した。当初は土地建物とも自社所有だったが、スガイディノスがゲオやRIZAPグループと資本・業務提携を繰り返したことで土地建物もゲオディノス、SDエンターテイメント、タツミプランニングと頻繁に変わっていった。19年3月には、タツミプランニングからクラシック(本社・大阪府大東市)の所有に変わった。
タツミプランニングが所有していた時からビル建て替えが既定路線になっていたためクラシックもそれを踏襲、昨年6月2日にスガイディノスは開業当時から展開していたゲームセンターやボウリング場、映画館を惜しまれつつ閉館した。
それから10ヵ月、今もビル正面には『DINOS』のロゴマークが掲げられているが建物周辺にはフェンスが設置され、解体に向けた準備が進み始めている。解体工事は、クラシックが発注して清水建設(本社・東京都中央区)北海道支店(札幌市中央区)が受注、実際の解体は本間解体工業(同・札幌市西区)が行う。解体期間は4月下旬から11月末まで。札幌のエンタメ・文化を発信してきた旧「ディノス札幌中央ビル」が生涯を終える。