札幌駅前通に面した敷島ビル(札幌市中央区北2条西3丁目)が、震度6強の地震にも対応できるように耐震補強工事を進めている。3月末から工事に着手、8月に一連の工事を終える。同ビルは、築後42年を迎えているが、耐震補強を施すことで安全性をより強化し、テナント需要に応えていく。(写真は、耐震補強工事が進む敷島ビル)
旧耐震基準は満たしているものの、新基準である震度6強の地震にも耐えられる基準は満たしていないため、壁面の強化と旧ビルと新ビルの継目を補強する工事に3月末から着手した。一連の耐震補強工事が終了するのは8月。工事費は1億円弱。
敷島ビルは、昨年3月に開通した札幌駅前通地下歩行空間と地下で直結しており、利便性も向上していることからテナントオフィスの人気も高く、満室状態。耐震補強でビルの安全性をより高め、テナント誘致の競争力を高める。
札幌駅前通に面したビルでは建て替えが活発化、北2条西4では三井札幌ビルの建設が始まったほか、北2条西3丁目の越山ビル・札幌フコク生命駅前通ビル、札幌ビルディングの一体ビルへの建て替えも2年後には始まる見通し。
こうしたビル建て替えに伴って移転するオフィスの受け皿が必要になることを踏まえ、敷島ビルでは「地下歩行空間直結」、「新耐震基準クリア」をアピールして移転需要を取り込む考え。
札幌駅前通の一連の建て替え工事が終わる7~8年先には、北海道新幹線札幌延伸の具体像が見えてくるため、敷島ビルはそのタイミングで建て替えを進めていくことにしている。