「千秋庵製菓」本店が4月中旬札幌駅前通に戻ってくる

経済総合

「千秋庵製菓」の本店が4月中旬、札幌駅前通に戻ってくる。本店ビルを取り壊しホテルと本店などが入る複合ビルへ建て替える工事が間もなく終了、2年6ヵ月ぶり本店が姿を現す。(写真は、「千秋庵製菓」本店が入る複合ビル1階のスペース)

 千秋庵製菓(本社・札幌市中央区)は、1921年創業で90年を超える歴史を持つ和菓子、洋菓子、チョコレートなどの菓子専門店。創業当初から駅前通と狸小路商店街の交差点である南3西3に本店を置いていた。旧本店ビルは56年から65年まで5期に分けた工事で建設された。
 この界隈は豊平川の地下水脈が通っていることで知られ、旧本店には地下90mから汲み上げた天然水を自由に飲める場所も整備されていた。

 旧本店ビルの老朽化に伴い2017年に建て替えが具体化。同年10月に近隣の千秋庵別館ビルに製造機能と本社機能を移転、11月には別館ビル1階に本店の仮店舗をオープンさせ18年に入ってから旧本店ビルを解体、同年秋から複合ビル建設が始まった。

 複合ビルの建築主はいちご地所(本社・東京都千代田区)で建物は地下1階、地上13階建て、延べ床面積は約1571坪(5184・80㎡)。メイン施設は、札幌初進出のホテル「ザ・ノット札幌」。ホテル開業は新型コロナの影響で部屋に使用する調度類の搬入が遅れているとされるが、ホームページでは4月24日オープンで予約も受け付けている。

 1階南側のスペースに入るのが千秋庵製菓の本店。建て替えのため移転していた本店の仮店舗は20年2月15日で閉店しており、4月中旬の新本店オープンに向け、目下に内装工事を進めている。1921年創業の千秋庵製菓は、99年目の今年、2年6ヵ月ぶりに原点の地に戻る。来年の100周年を経てここから新たな歴史を刻むことになりそうだ。

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