クラウドベースの顧客管理、営業支援システムなどのアプリケーション、『セールスフォース』の中小企業向けシステム導入事業を展開しているキットアライブ(本社・札幌市北区)は、SDGs(持続可能な開発目標)を経営に取り入れるため、このほど社内向けに「NPP」(ノンプラスチックポンイト)制度を導入した。(写真は、キットアライブが10日に実施した社員向けの『SDGs Outsideーin』カードゲームの研修)
同社は2016年8月の設立時からSDGsを経営の根幹に据え、19年4月には北洋銀行(本店・札幌市中央区)などで組成している「北洋SDGsファンド」から資金調達、道内外の中小企業発展に貢献する地元密着のビジネスパートナーとして事業を展開している。
現在は社員約35人(平均年齢32歳)だが、社員にSDGsを身近に感じてもらうために「NPP」の導入を決めた。これは、自宅から出社して帰宅するまでプラスチックのごみを全く出さなければ1ポイントを付与するというもの。社員がWEB日報に自己申告するもので1ポイントを500円として社内や取引先の会議費に充当できる。嘉屋雄大社長は、「こういった活動を通じて社員に無駄なプラスチックに触れている機会が多いことに気付いてもらいたい。小さいことの積み重ねが社会を変えていくことに繋がっていくと思うので、まず札幌からやってみようと考えて導入した」と話す。
同社は、こうしたSDGsをビジネスと結び付けて社会課題の解決と企業の成長を繋げて考えるきっかけにするため、10日には合同会社Dialogger(札幌市北区)の『SDGs Outsideーin』のカードゲームを道内企業として初めて実施。社員約35人が10チームに分かれて新事業立ち上げや事業の成長などの疑似体験をした。
嘉屋社長は、「SDGsは30年が達成目標の年なのでこの10年間で世界の経済は大きく変化すると思う。欧米では15年から20年の5年間でかなり変わり、SDGsに取り組んでいない企業とは取引をしない例も出てきた。仕事をしているとどうしても日々の積み重ねになってしまうが、5年後、10年後の社会を想定して今やらなければならないことを考えて仕事に結び付けなければならない。SDGsはそのためのすごく良いツールだと思う」と話している。