札幌市中央区の札幌北三条ビル(北3西3)の信託受益権が、東京の合同会社新丸不動産から大阪に本社を置くワキタに売却されていたことがわかった。売買額は約40億円と言われている。同ビルはテナント入居率が100%で年間の不動産収入は約4~5億円とされ、利回りは10%程度。同ビルの北向かいにはヨドバシカメラが取得した旧札幌西武の土地があるが、ヨドバシはここを約80億円で取得しており、約3分の1の土地面積の北三条ビルが40億円で売却されたことで、札幌駅前通周辺の土地相場上昇に弾みが付くと期待されている。(写真は札幌北三条ビルとテナント案内板)
札幌北三条ビルの所有者は三井不動産で信託を受託しているのは中央三井信託銀行。三井不動産は平成16年に信託受益権を合同会社新丸不動産に売却していた。
新丸不動産は、4年前まで東証マザーズに上場していた不動産投資顧問業のシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズによる匿名組合100%出資の合同会社。
信託原簿によると、同ビルの信託受益権は昨年央に大阪本社のワキタ(西区江戸堀、資本金122億887万円)に売却されている。ワキタは大阪証券取引所1部上場会社。1955年に大阪で舶用機械の販売修理を目的に設立され、2008年から不動産事業をスタートさせている。
11年3月期の売上高は386億7600万円で経常利益は31億7600万円。
札幌北三条ビルは、地下1階地上13階で延べ床面積は約1万3700㎡。テナントは満室状態で賃料収入は月4000万円とされ年間4億円を超えると見られている。取得額40億円に対して年間投資利回りは10%。
札幌駅前通では、北2西4で三井新ビルの建設が4月にも始まるほか、北2西3の越山ビルとフコク生命が共同で新ビルを建設する計画もある。今回の札幌北三条ビルの信託受益権売買が40億円で行われたとすれば、駅前通周辺の地価相場上昇にプラス効果が出てきそうだ。